~193~
プワソン・レオーネ視点です。
私が目を覚ましたのは、部屋だった。
辺りを見渡すと、見慣れた部屋で妙年齢の侍女が立っていた。
「お目覚めになりましたか?」
「くっ!ここは本邸の自室か?」
「そうでございます。」
「!!仲間は?!」
「無事でございます。1番怪我をしてぐったりいていたのはお坊ちゃまですよ?」
「そうか・・・。ばあや。今は何時だ?」
「そうですね・・・。運ばれてから1日と半日過ぎたぐらいでしょうか?ちなみに今は昼でございます。」
ばあやから経過時間を聞き固まってしまった。
「あれから1日が経ってしまったのか?」
「ご友人は寮の方におられると思いますよ?それより学院ですね。」
「昼ならそうだな。」
「あ!そうそう。ご友人の方を1人客室でお預かりしていましたね~。お坊ちゃまの次にぐったりしていましたよ?名前はレ・・・「どこの客室だ?!」1階右端ですよ。」
プワソンはフラフラしながらも、立ち上がったがすぐによろめいて倒れてしまった。
「くそ!体が思うように動かない!」
「仕方ないですね・・・。ばあやが少しお手を貸しましょう。」
ばあやの手を借りて立ち上がり、ドアまで進んだ。
「ここまで来たから、後は壁を伝っていく。すまない。」
「あらあら。遠慮せずともよろしいのですよ?あ・・・そうでしたね。ばあやは帰っていますよ。」
ばあやがプワソンの傍を去った後、重い体に鞭を打ちながら先に進んだ。
「レオーネが倒れているなんて・・・。私を治療した負荷が掛かってしまっていたのか?とりあえず顔を見なければ・・・。」
ばあやに教えてもらった部屋の前に何とか着くことが出来た。
「レオーネ・・・いるか?」
ドアをノックした後、声を掛けるが返事がなかった。
「入るぞ?・・・レオーネ・・・。」
レオーネはかわいらしい寝息を立てながらスヤスヤと眠っていた。
「無事そうだな・・・。確かにこれでは私の方が重症だな。」
よたよたしながらレオーネのベットの傍まで近づく。
「私の判断間違いでこんなことになって済まない・・・。そしてありがとう。」
寝ていることは知っていたが、すぐにでもお礼を言いたかったので寝ていて聞こえていないだろうけど言うことにした。
そして何を思ったか、手が自然と伸びてレオーネの頭を撫でていた。
「!!!私は何をしているのだ?」
慌てて手を引っ込めて、ベットを離れた。
~・~・~・~・~・~
プワソン君が入って来たけど、寝ているふりをすることにしました。
謝られて、感謝をされてなんだか申し訳ない気分になりました。
すぐに回復をかけたのにしっかり治せなかったし・・・。
自分を責めていたところ、不意に頭に暖かい感覚がやってきて・・・。
「!!!私は何をしているのだ?」
あ・・・プワソン君が頭を撫でていたの・・・?。
え?!頭を撫でる?!
あ・・・ドアの閉まる音が聞こえた・・・。
「~~~!!」
そんなに声を出せないけど、布団の中で思わず身悶えてしまった。
プワソン君からそんなことされるなんて予期していなかったからびっくりして・・・。
うぁ・・・顔が熱い・・・。
プワソン君のことが好きだけど、私の一方的な思いだと思っていた矢先にこれは不意打ち過ぎる!
顔を合わせた時どういう顔すれば・・・!
って寝ているふりをしていたから知らないふりをしないと!
「レオーネ様。お目覚めですか?」
侍女さんが部屋に入ってきた。
「だ・・・大丈夫です!」
「そうですか。午後にご友人の面会があるかもしれないということなのでお伝えしようかと思って。」
「そうですか。ありがとうございます。」
何とか平常心で答えることが出来た。
その後もベットで悶えていたとか。




