表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
186/375

~185~

 転移陣まで駆けていたベリエは倒れそうになりながらも、必死で走っていた。


「もう少しなのよ!邪魔しないで!」


 悲痛な声を上げて魔物を蹴散らしていた。


「着いた・・・早く!」


 転移陣に到着し、転移の時間さえも惜しいのか転移する時間が変わるわけではないのに転移陣を急かす。

 入口に戻ってきた途端に、階段を駆け上がり受付へ向かう。


「助けて!」

「え?!どうされたのですか?他の人は・・・。」

「詳しくは分からないけど、ダンジョンの攻略中に謎の魔物が現れたの!人型で白くて、目と口は縫われていたわ。耳もなく鼻もないとにかく気持ち悪い魔物であんなの見たことなかったわ!」

「そんな魔物が・・・。」

「それで、今仲間がそいつの進行を抑えてくれているんだけどいつまで持つか分からないわ!すぐに救援を送ってほしいの!私もすぐに戻らないと・・・。」


 伝えるだけ伝えて、また戻ろうとしたところシフラに腕をつかまれて止められてしまった。


「だめです!危険すぎます!」

「でも!」

「高ランクの冒険者を手配するので、少しだけお待ちください!」

「早く・・・お願いします!」


 少し冷静になったのか、大人しくベリエは指示に従った。

 シフラは王都に残っている冒険者の高ランクチームを探し始めるが、依頼に行ってしまっているため、連絡がついても戻ってくるまで最低1刻はかかってしまう。


「ここにいるメンバーでは無理なんですか?」

「はい。ここにいるメンバーはあなたとランクが同じぐらいなので依頼を受けれません・・・。」

「そんな・・・。」

「もう少しの辛抱です!」


 イライラしながら時間を過ごしていると、突然一角が光った。


「あの光は・・・。」

「おっと?どうしたんだ?」


 光が収まると、リュシオルが現れた。

 その光が収まったとたんに、ベリエは駆け出してリュシオルに抱き着いた。


「助けて・・・みんなが・・・。」

「ブラック様。緊急依頼です。王都のダンジョンに謎の白い魔物が現れました。今、グロース・ファクトが足止めをしているそうですので、至急向かっていただきたいのですが・・・。」

「え?みんなが足止めを?」

「うん・・・。プワソンは倒れたままで目を覚まさなくて、レオーネが治療中で、リンブルとエクラが主で戦っているの。でも、もう体力が持たない・・・。」

「わかった。ベリエは案内してくれる?」

「案内したいけど・・・。」


 怪我をして、満身創痍なベリエは今にも倒れそうだった。


「おっと・・・。『リカバリー』これでどう?」


 リュシオルの魔法により、体の傷、服の汚れ・破れが完璧に戻る。


「相変らず、とんでもないわね・・・。」

「これならいけるだろ?」

「これで行けないって言ったら嘘になってしまうわ。行きましょう!」


 ベリエが先導し、ダンジョンに入って行く。

 転移してきた転移陣に転移し、駆け出した。


「ところでここは何階層?」

「ここは15階よ。この先17階で戦っているわ!」

「じゃあ、17階から1人で転移陣に走って行ったの?」

「そうよ。誰かが走るしかないけど、足の速いリンブルは方向音痴だから次に早い私が走るしかなかったのよ。」

「それであんなに傷だらけだったんだね・・・。」


 原因がわかり、納得した。


「そろそろ皆の所のはずよ・・・!」


 戦闘している場所に着き、広がっていたのはレオーネが結界を張り、皆を守っているところだった。


「レオーネ!」

「ベリエちゃん!それとリュシオル君・・・。ごめんなさい!そろそろ結界が・・・!」

「アルシュ!」

「はい!」


 アルシュを走らせて、リュシオルはガルディを鞘から引き抜いた。

 そして、白い魔物に注意を引くために魔法を放つ。


「お前の相手はこっちだ!」

「????!!」


 結界を破ることに一生懸命になっていたのか全く気付かなかったが、魔法が当たってようやくリュシオルに気が付いた。


「お願いリュー君。」

「あぁ。レオーネの所に向かってくれ。」

「うん!」


 ベリエをレオーネの所に向かわせた。

 その間も、白い魔物はリュシオルの方を向いて、律儀に待っていた。


「話が通じるのか?いや、違うだろうな。待たせたな!」

「????~~~~!!!」

「何言っているか全くわからない・・・。そしてこれはいったい何なんだ?」


 初めて見る魔物に戸惑っていたが、皆を救出するために戦いを始めた。


「レオーネ!こいつに有効なのは分かるか?」

「ごめんなさい!見ていたんだけど、魔法も剣も全く歯が立たなかった・・・。唯一、リンブル君の魔法で作った石の矢が少し刺さったぐらいです!」

「どうりで、バルトでも切れないはずだよ・・・。」


 聞きながら、刀で切りかかったが、全く刃が通ることがなかった。


「これは厄介だな・・・。」

「リュシオル様。こいつはもしかすると、魔動生物かと思われます。」

「魔動生物?」

「はい。はるか昔に戦争で流用された生物です。しかし、これはあれ以来廃止されて、いなくなったはずなんですが・・・。」

「ということは、これを作る設計図が誰かの手にあるってことだな・・・。」

「はい。何か良くないことが起こっているようです。」

「それで、こいつを倒す方法は?」


 全く攻撃の効かない魔動生物の倒し方を聞くが・・・。


「すいません・・・。話に聞いただけで、倒し方は・・・。」

「試しながらか・・・。」


 倒す方法を考えながら魔動生物と向き合うのだった。



なんだか不穏ですね・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ