~182~
まず初めに、エクラが担当し、プワソン・リンブルと見張りをした。
次がベリエだったのだが、目が覚めたのかレオーネも起きてきた。
「なんか久しぶりね。」
「そうだね。ベリエちゃんとこうやって2人で肩を並べているの。」
「入学してからバタバタしてたもんね・・・。」
「そうだね。目まぐるしく時が過ぎていっていたもんね。」
「それでどうなの?誰か好きな人できた?」
「ふぇ?!急にどうしたの?!」
「ん?なんとなくレオーネの目が恋する乙女な気がしたからだけど?」
唐突な質問にレオーネはテンパってしまった。
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったのだ。
「え・・・私よりベリエちゃんはどうなの?」
「私?私は特にだけど、気になるのは生徒会長がかっこいいかな?後は・・・騎士団長!あの人は渋くてかっこいいわ!」
「ベリエちゃんは年上が好きなのね。」
「そうね~。で、レオーネは?もしかしてプワソン?」
「にゃ!にゃにをいっていりゅにょ?!」
「図星か・・・。」
的確に当てられたレオーネは鉄板な慌て方をしていた。
「レオーネは分かりやすいもんね~。バレバレよ?」
「そんなにわかりやすかった?」
「私が見たらよ?他人が見てもわかりはしないわ。」
「ならよかった・・・。」
「で、どこが好きなの?」
「え・・・それ言わないと駄目?」
ベリエは根掘り葉掘り聞き出そうとしているようだ。
「親友の恋愛が実ってほしいじゃない。相手は貴族だけど、うまくいくことだってまだ可能性はたくさんあるわ!」
「そうかな・・・。」
「今から頑張れば大丈夫よ。女で男爵の地位を受けれるぐらいにだけどね。」
「それって無理じゃ・・・。」
「何言ってるのよ!それぐらい頑張らないとでしょ?それにあなたが頑張っているのも知っているんだから。」
何かを必死に調べているところなどをベリエに見られていたようだった。
「はぁ~ベリエちゃんにはバレていたんだ・・・。うん。今白魔法・聖魔法の研究をしているの。書物や治療院など見て回ったりして、後、リュシオル君とアルシュさんにもアドバイスもらったりといろいろしているの。」
「もしかして新たな魔法の開発?」
「うん。ケガで治らない怪我がないように。さらに病気も治る魔法をね?」
「薬もいらなくなるってわけね?」
「それはないよ?だって緊急で出来たらいいじゃない。その場で出来ることがあれば助かることもあるよ?でも、部位欠損まで治る魔法はないからそれもやっていきたいの。そうすれば、手や足を無くした人が歩けるようになったり、物が持てるようになったりするでしょ?」
「そうね。そんな魔法があればいいね。」
「うん。頑張って研究していこうと思うんだ。喋るのご飯の用意をしながらでもいい?」
朝食の用意をしながらベリエとの会話を続けた。
「そうね。それが完成したら功績はかなりあるわ。」
「うん。道が開けていくと思うんだ。」
「じゃあ、まずはプワソンのことを射止めないとね。」
「ふぇ?!そこに戻るの?!」
「そうよ?それでどこが好きなのよ?」
「え・・・。皆のことを考えたりしているところや、優しいところかな?たまに無理したりしているところを見ると心配で仕方ないんだよね。」
「すっかり恋していますね~。」
「茶化さないでよ~。」
レオーネは朝食の用意をしながら、ほっぺたを膨らませていた。
「ほら!よそ見してたら焦がしちゃうよ?」
「それはベリエちゃんがそんなことを言うからでしょ?もう・・・。」
文句を言いながらでも作ってしまうのがレオーネの可愛いところである。
「そろそろ皆を起こそうかな?」
「そうね。もう朝だわ。」
皆を起こして朝食をとるのだった。
レオーネとベリエでした。




