~177~
主人公無しで進みます。
リュシオルがダンジョンに潜っている頃、男子寮では話し合いが行われていた。
「それで?いつから行きますの?」
「明日から行こうと考えているんだ。」
「今日でリュシオルは王都のダンジョンが終わるらしい。大体50階までっぽいからって言ってて、今日で終わらしてくるって俺に行ってきたんだ。」
エクラから質問が飛び出し、プワソンが計画を話し、リンブルが理由を話した。
この計画は初級ダンジョン制覇後から考えられていて、今日話し合いすることとなっていたのだ。
「でも、大丈夫ですか?」
「ある程度俺たちに実力があるのもわかったし、リュシオルに頼ってばかりではいけないと考えたからプワソンに相談を持ち掛けたんだ。」
「それで、私も思うところがあって、この話に乗ることを考えた。強さを手に入れるにはある程度危険はつきものだと言われているが、備えておけば問題ないと思う。」
「そうね。レオーネがいれば光魔法で癒せるものね。」
「わ・・・私は・・・。」
「どうしたの?」
「何でもないです・・・。」
レオーネは何かを言おうとしていたが、言いどもってしまった。
「っと・・・それでどうするんだ?」
「前回買ったのが余っているから、それで行こうと思う。明日は少し様子見で行って、学院があるときは時間内で潜る。そして、休日に長く潜ることにしよう。」
「了解!じゃあ、下準備しとかないとな。」
「各々の役割を果たしてほしい。」
「前回と同じようにですわね。」
そうして、計画は進められていくのだった。
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「このメンバーでお願いします。」
「はい。では、グロース・ファクト(成長・事実)は今日から王都ダンジョンに潜るのですね?」
このチーム名は皆が考え、つけたものである。
意味はあまりわかっていないようだったが、なんとなくいいようにつけれたのでは?と思っている。
初めの話し合いで出た名前は悲惨なものだった。
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「せっかく皆で活動するのですし、名前を決めませんこと?」
「そうだな!俺たちの2つ名はまだまだそうだし、呼ばれる名前が必要だよな。」
「では、貴族の嗜み(たしなみ)とかどうだろうか?」
「それじゃあ貴族が関わってるってバレるんじゃないのか?それなら愉快な仲間たちとかはどうだ?」
「それだとあほっぽいわよ。そうね・・・仮面舞踏とかどう?」
「見たまんまじゃないですの・・・。」
「それなら・・・
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こうして何度も考えられ、ようやく決まったのだ。
「処理が終わりました。気を付けてくださいね。」
「はい。」
シフラに案内されてダンジョンの入口に着いた。
「いよいよですわね。」
「ここから俺たちの冒険が始まるんだ・・・。ワクワクするな!」
「みんな怪我しないようにしましょうね・・・。」
「私がみんなを守るよ!」
「少しは無理しながら鍛えていくぞ。」
それぞれの意思を確認し、ダンジョンの扉を開けて中に入っていた。
中に入ると、前と少し雰囲気が違うように思えた。
「初級と中級では違いますのね。」
「そうだな・・・。これでは気合を入れていかないとな。」
「ホントに雰囲気が全然違うね。」
初級と比べて違うのが肌で感じられたため思わず言葉が出てしまったようである。
「さあ。進んで行こう。」
気を引き締めて中に進んで行くのだった。




