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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
173/375

~172~ ベリエ

 私はベリエ。

 王都より少し離れた町で生まれて、才能があって王都学院に入ることになったんだけど、親友のレオーネも一緒に行くことが出来た。

 1人だったら不安だったかもしれないけど、レオーネがいるから毎日楽しく過ごすことが出来ているの。

 2日前に初級ダンジョンを制覇して、休養期間にしてるんだけど、私は体を動かすことが好きだから練習しているのよ。


「ベリエちゃん今日は?」

「少しギルドの練習場で師範してもらってくるわ。」


 最近新しい武器を教えてもらって、これが気に入っているんだ。

 切るわけじゃないけど、打撃で使えるし、防御にもなる。

 それに加減や、場所によって相手を動けなくしたりすることが出来るから守ることにも特化できるのよ?


「そう、いってらっしゃい。私はいつもの所に行っているわ。」

「いつもの修道院ね?」

「うん。私の出来る限りのことをしたいから。」


 そうそう。

 ダンジョンから帰ってきてから、レオーネの雰囲気が変わったのよ。

 なんか考え事?悩み?わかんないけど、たまに上の空になってることがあるわ。

 それで聞いてみると、戦うことってなんだろうね?って言われて、私も考え込んでしまったわ・・・。

 確かに戦うことは身を守るために必要だし、戦うことによってお金を手に入れることが出来るわ。

 ただそれだけか?って言われてしまうと言葉が続かなくなってしまうのよね・・・。

 それでも、強くならないと始まらないこともある。

 私は守る力が欲しい。

 もう家族を失いたくないから・・・。


~・~・~・~・~・~


「お姉ちゃん!」

「ベリエは早く逃げて!」


 お姉ちゃんと私は森で木の実と果物を収穫していた。

 果物が村の近くになくて、森の奥の方まで迷い込んでしまったときに不幸が訪れてしまった。


「早く逃げなさい!」

「でも・・・!」

「でもじゃない!私が引き留めて後から追いかけるから!ベリエは先に逃げて!」


 対峙していたのは、その時は大きく見えていたベアーが唸り声を上げてにじり寄ってきていたわ。

 私は戦う力がなくて・・・いえお姉ちゃんにもなかったけど、私を逃がすために体を張ってくれた。

 何もできない自分が悔しくて・・・でも、逃げるしかなくて・・・ゆっくり下がった後、無我夢中で家に走って行った・・・。


「お父さん!お姉ちゃんが!」

「どうしたベリエ!」

「森の奥まで行ってしまって、ベアーに見つかって・・・お姉ちゃんが足止めして・・・うわ~ん!」

「泣くなベリエ!途中まででいいから案内しろ!母さん!街の男どもに連絡をベアーを倒しに行くと伝えろ!緊急だ!ベリエいけるな?」

「グスッ・・うん・・・。」


 私はお父さんに抱きかかえられてきた道を戻って行った。

 途中でお姉ちゃんに会えることを望みながら・・・。

 だけど・・・。


「お姉ちゃん!!」

「ベ・・・ベリエなの?」

「お姉ちゃん!」


 私のお姉ちゃんはぐったりして木にもたれ掛かっていた。

 服を血まみれにし、片腕がなく、顔を爪でひっかかれていた。


「まだ奴はいるわ・・・逃げなさい・・・。」

「お父さんと来たから大丈夫!でもお姉ちゃんが・・・。」

「私は・・・もう助からないわ・・・。血を流しすぎた・・・。もうベリエの顔が見えないもの。」

「そんな・・・。」

「ベリエ。お母さんとお父さんにごめんなさいと伝えてね?」

「いやだよ・・・。お姉ちゃんが直接伝えてよ・・・。」

「そしてベリエは悲しまないで?強く生きて・・・。」


 お姉ちゃんが最後に私に言葉を残して、体の力が全部抜けて倒れてしまった。


「うそ・・・お姉ちゃんが死ぬなんて嘘だ!!」

「ベリエ!どうした!」

「お姉ちゃんが・・・。」


 お父さんが近づいてきて、お姉ちゃんの首を触って確認をしたけどもう事切れていたみたいだった。


「お前を守ってお姉ちゃんは死んだんだ。お姉ちゃんの分まで強く生きなさい・・・。」


 血だらけで帰ってきたお父さんにお姉ちゃんは抱きかかえられて、私はお父さんの服を持って家に帰ってきたけど、お姉ちゃんを見たお母さんは泣き崩れて、でも・・・私を抱きしめて生きててくれてありがとうって・・・。

 その後は、あっという間に埋葬も終わって周りは日常生活に戻ったけど、私は引きこもってしまっていた。

 そして、そこから救い出してくれたのがレオーネなのよ。

 ふさぎ込んだ心を溶かしてくれて、私に戻してくれた。

 時々夢で当時のことを見るけど、前向きに守る力をつけていきたいと思っているわ。

 私のような子をこれ以上作らないように・・・。


「こんにちは!今日はお願いします!」

「いつも元気だな。今日も訓練つけてやるよ。」


 訓練するようになってから相手をしてくれるようになった人が何人かいて、私は組手の練習とかさせてもらってる。

 油断したらお尻を触られてしまうけど、それは私が未熟だから。本来なら斬られてしまっているところをそうやってくれているのだと思っているの。

 もっと強くなって、守れる力が欲しい・・・。


「もう一回お願いします!!」








キリがいいので個人の心を描いています^^

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