~171~ レオーネ
こんにちは。
レオーネです。
ダンジョンから帰ってきて、次の日になります。
私はそこまで戦うことが好きではないのですが、戦う力がないとどうにもできないことがあると知っているので、戦う力をつけています。
昨日は初級ダンジョンを制覇することが出来てよかったです。
少し感情が高ぶってしまいましたが、殺すってことは怖いですね・・・。
「レオーネどうしたの?」
「なんでもないですよ。ベリエちゃんは今日放課後どうする?」
「そうね・・・。このトンファーの扱いに慣れるようにしておくわ。レオーネは?」
「少し出かけることにします。夕方には帰るつもりですよ。」
「わかったわ。行ってらっしゃい。」
ベリエちゃんと別れて、私が向かったのは前にみんなで訪れたことのある修道院です。
出来るだけ訪れて、肉とか野菜を分けて上げれるように通っています。
これだけで救える命は少ないかもしれませんが、これで救われる命があるって思っています。
さて、今日も頑張りますか。
「今日もいらしてくれたのですね。」
出迎えてくれるのはここのシスターさんです。
すごく優しくて、しっかりとしていて、ここの子供たちの良き母の人です。
「はい。迷惑でないのならお手伝いしてもいいですか?」
「それは助かります。こちらへどうぞ。」
「はい。」
中に入って行くと、若いシスターが赤ん坊をあやしていました。
あやされていた赤ん坊は見たことのない子です。
「もしかして・・・。」
「そうなんです。ここに捨てられていました。」
「そうですか。」
「でも、ここに来てくれたので助けることが出来ます。」
若いシスターさんは微笑みながら答えてくれました。
でも、子供を捨てる親がいつでもいます。
たぶんですが、養うことが出来ないからだと思うのですが・・・。
でも、捨てるのは間違っていると言いたいです。
でも・・・でも・・・捨てられたからこそここで食べることが出来ると考えたら・・・。
いつか子供が捨てられることのない国になってほしいです。
「レオーネさん?」
「すいません。考え事をしていました。」
「そうですか。でも、ナイフを持っているので気を付けてくださいね?」
そうでした。
今ジャガをむいている最中でした。
でもいろんな考えが浮かんできます。
確かにみんなといるのは楽しいんですが・・・。
戦いはちょっと壊れ気味でないとしんどいです。
それに、怪我をしたらと、みんなが怪我をしたらと思うと心が痛いです。
「お姉ちゃん!私も手伝う!」
「危ないよ?」
「大丈夫!いつもお手伝いしているもん。」
「そうなのね。偉いね。」
「そんなことないよ。私たちは生きるためにしないといけないし、これは弟妹のためだもの。でも、何の関わりのないお姉ちゃんがこうやって来てくれる方が偉いよ?」
「ありがとう。でも、私は一人で出来る範囲しか手伝えないし、助けることが出来ないの。それがもどかしくてね?」
「そんなことないよ。お姉ちゃんにいっぱい助けてもらってるよ。」
手伝いに来てくれた子が励ましてくれます。
この子達を守ってくれる人はあまりに少ない。
本当なら親が身を投げ出してでも救う・救ってくれる命であっていいはずだけど、この子達は捨てられてしまっているのです。
「お姉ちゃん?」
「何でもないよ。さぁ!残りのジャガもむいてしまいましょう。」
ジャガをむいて、お肉炒めて、煮ていきます。
いい匂いがして、ジャガがホクホクしてきたら出来上がりです。
「今日も食べれることに感謝をして。」
「「「「「「いただきます。」」」」」」
「それでは私は帰りますね?」
「お姉ちゃんも食べて行ったらいいのに。」
「私は寮でご飯があるから大丈夫よ。」
「そうなんだ~。今日はありがとう!」
「「「「「「ありがと!」」」」」」
子供たちから感謝の言葉を貰って、寮に帰ることにしました。
自己満足ですが、これで、あの子たちが無事に成長できるように祈りましょう。
寮に帰ってくると、ベリエちゃんが迎えてくれました。
「おかえり。」
「ただいま。」
「お腹減ったでしょ?」
「うん。お腹ぺこぺこだよ~。」
「大したものじゃないけど作ったから食べましょう。」
「ベリエちゃんのご飯美味しいよ?」
「ありがと。」
にこやかに笑ったベリエちゃんはすごく美人さんです。
親友の笑顔を守っていきたいですね。
「早く食べないと冷めちゃうよ?」
「それは大変だね。いただきます。」
どうかこれからも怪我がなく、皆が笑顔で過ごせますように・・・。




