表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
冒険者編
17/375

~17~

「こんなのですが、一生お仕えします。」


 少女は泣き止み、床で土下座し、決意を言葉にした。


「よろしくね。さあもう立って。改めて、俺の名前はリュシオル。これからよろしくね。」

「はい!リュシオル様!私は名前が無いもので名乗ることができません。」

「そんな・・・では、君の名前は・・・ルーチェ。どうかな?」


 リュシオルは、少し悩んだが光を意味するルーチェはどうかと提案した。

 すると、下を向いて何回も少女は小さな声で繰り返し名前をいい、がばっと顔をあげた。


「素敵な名前をありがとうございます。リュシオル様!」

「気に入ってもらってよかった。じゃあ・・・このままじゃいけないよね・・・。あの~この場で起こることは内緒にして頂けますか?」


 名付けが終わり、ルーチェの酷い怪我がずっと気になっており、もうこの場で隠しても仕方ないと仕方ないともう諦めて治すことにした。


「はい。では、私は退出させて頂きますね。終わりましたら声をおかけください。」


 空気を読み、主人は使用人と部屋を退出した。

 残りはクロワだが、黙秘してくれると頷いて返事をしていた。


「じゃあ、ルーチェこっちへきてくれる?さて、まずは綺麗にしなきゃね《クリーン》続いて~怪我してるのは・・・顔と手と足と・・・他はある?」

「あ・・・あとは背中にもあると思いますが、治療しても治らなかったので・・・」

「わかった全身かけとくか~《リカバリー》。」


 リカバリーをかけた瞬間に見る見るうちに酷い怪我が治っていき、ルーチェのホントの素顔が現れた。

 それを見ていたクロワは口をあんぐり開けていた。

 顎が外れないのであろうか?


「やっぱり可愛いじゃないか。ほら、見てごらん?」


 アイテムボックスから日用品を買うときに実は隠れて買っていた鏡を取り出し、ルーチェに手渡した。

 自分の顔を見たルーチェは驚いて、慌てて鏡を落としそうになった。


「こ・・これは・・・リュシオル様~!」


 あまりに驚き、そして、一生治らないと思っていた怪我が痕も無く綺麗さっぱり無くなっていた。

 感動しすぎて勢い良くリュシオルに抱きついた。

 ちなみにまだクロワは口が開いたまま固まっている。


「おっと・・・。体も見てごらん?傷はすべてなくなっているはずだよ。」


 抱きついてしまったことに気がつき、そーっと離れた後、お腹の辺りの服を少し捲ってさらに驚き、うれしさのあまりまた泣き出してしまった。

 リュシオルはそっと近づきルーチェを抱きしめた。


「今まで辛かったよね・・・今は思いっきり泣いて泣いたらそこから新しい自分になればいい。もうルーチェは生まれ変わったのだから。」


 数分ルーチェが大きな声で泣いて眠ってしまい、ソファに寝かした後クロワから話しかけてきた。


「とんでもない現場に居合わせてしまったみたいね。使った魔法なんて聞いたことないし、使ってる人も見たことないわ・・・。いえ・・もう検索しないわ。使えると知ってしまったけど、助けれるのなんて手の届く範囲ですもの。」

「そういうことなんです。目に見える人は助けれても、遠くの人なんて助けることが出来ない。でも知られたら、なんであのときに居てくれなかったの!っと責められるかもしれませんが・・・手の届く範囲で助けれたらと・・・わがままですよね。」


 ルーチェの頭を撫でながら、本心を答えた。


「だから、手に届いたルーチェを助けれた。また、俺の手に届く命があれば助けたいと思います。」

「そうね。あなた一人で助けれる命は少ない。ただ、積み重ねることによってたくさん助けれるわ。自分を卑下しないで。」

「ありがとうございます。とりあえずはこのことは内密にお願いします。」

「わかってるわ。でも、一応ギルドマスターだけには報告するわね。」


 話が終わり、ルーチェを背負って奴隷商館を後にした。


「すっかり遅くなってしまいましたね。クロワさんは大丈夫ですか?お送りしますよ?」

「いいえ、ルーちゃんをおんぶしたままでは・・・途中までは一緒ですし、ふふっ・・・こう見ても私強いんですよ?」

「でも無理しないでくださいね。」


 他愛もない話をしながら夜道を歩いて、宿の前でクロワと別れた。

 宿に入ると、カウンターにいた宿屋の主人に事情を説明し、部屋に戻った。

 ルーチェをベットに寝かすと、身じろぎをしたがそのまま寝ていた。


『主様~。主様も疲れてると思うから早くご飯食べて寝たら?』

『そうですね。主も色々あって疲れていると思いますので早くお休みなる方がよろしいでしょう。』

「そうだな。早く食べて寝るとするか・・・ルーチェのご飯は・・・ぐっすり眠っているから朝まで起きないだろうし。行ってくるか。」

『ならば、我々はルーチェを見ておきますゆえごゆっくり食事をしてください。もし起きましたら、念話でお知らせします。』


 ルーチェをバルトとガルディに任せ、食事に行った。

 食べ終わって、お湯を頼もうかと思ったがもうめんどくさくなったので、クリーンで終わらすことにした。

 部屋に戻り、ルーチェが寝ているのを確認して、隣のベットで横になるとすぐに寝てしまった。


 

ルーチェ・・・かわいい名前にしたくて^^


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ