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満腹になり、約束していた時間になりそうだったので、移動することにした。
「そろそろ査定が終わると思うんだけど。」
「あの商団ってなんでつながりがあるの?」
「あ~簡単に話すと、マルテの街で出会った商人で、護衛をしたりして親しくなってね?その後、その人が偉くなって・・・。俺もね?」
「なるほどね。ブラックが贔屓にしているんだったら、私もそうしようかしら?」
「喜ぶと思うよ。今度紹介するね。」
テントに向かう道中に色々なものが売っており、皆も気になったみたいだが目的のことを考えて、我慢しているのがうかがえた。
「お金が手に入ってから考えることにして、まずは査定のお金を貰わないとな。」
「今、手元にそんなに持ってないから後で・・・ですわね。」
小物もたくさん売っており、女の子たちは後ろ髪が引かれていたようだった。
「これはこれはお待ちしていました。査定の方は終了しております。」
「ありがとうございます。それでいくらになりますか?」
「ブラック様の紹介と、将来のことを考えまして、20万エカトでいかがでしょうか?」
「そんなものか?」
「そうですね。大体一回に持ってこられる量は普通は少ないのですか、ブラック様の友人はたくさん持ってこられるので、まとめて価格で高くさせていただいています。それと魔道具がまぁまぁしますのでこれぐらいで・・・後は勉強させていただいています。」
「そうですか。ありがとうございます。」
お金を受け取り、分けることにした。
「20万だから・・・。」
「1人4万ね?」
「リュシオルとルーチェの分は?」
「俺たちは構わない。それに一番高価なコアを貰っているし、これ以上は何も言わないよ。」
「そうか、ありがとう。」
「じゃあ、この初ダンジョン報酬で買い物するか?」
「そうね。買いたいものがあるからこのまま少し散策してもよろしいかしら?」
「じゃあ、これから2刻後にさっき食べた木の所に集合でいい?」
「分かりましたわ。」
一度解散をして、買い物の後にさっきの場所に集合することを約束して、別れた。
「さて、俺たちはどうしようか?」
「特に何もないですものね。甘味でも出して、お茶しましょうか。」
ルーチェもお菓子作りを手伝って、だいぶ作れるようになってきていたため、この日のために用意していたみたいだった。
「ではわたくしが用意いたします。」
その言葉を待っていたかのように、ガルディが現れた。
「じゃあ集合場所で待ちながらにしようか。」
来た道を戻り、さっき昼食を取った場所に戻ってきた。
「では準備いたしますので少々お待ちください。」
さっきと同じように、木にお願いして先ほどの机と椅子を出してもらう。
ちなみにさっきここを離れる時に、根を使っていたので元に戻そうかと思い、木に問いかけるとそのまま土に戻してもかまわないと言ってくれていたので、そのままの形で土に戻していたのだった。
「お待たせしました。用意が出来ましたのでどうぞ。」
見てみると、先ほどは武骨な根で作られただけの机が、なぜか王室が使うような綺麗なものへと変貌していた。
「いったい何が・・・。」
「少し手を加えさせていただきました。お気に召したでしょうか?」
「えっと・・・根は大丈夫?」
「それにつきましては、了承を得ていますので大丈夫でございます。」
これ以上は聞けなかった。
ゆっくりとお茶をしているときにふっと思い出した。
「そういえばクッキーは数焼けたかな?」
「それにつきましては完了していると申し上げます。」
「ガルディが作り続けてくれていたんだよね?」
「はい。これぐらいは何ともありませんのでいくらでもお申し付けください。」
「じゃあそろそろ毛皮を取りに行こうかな?」
「忘れていたのではないですか?」
「う・・・。そん・・・そんなことないもん。」
痛いところを突かれて、少しカワイイ口調になってしまった。
「ふふふ。主がそうおっしゃるならそうだとしておきましょう。おかわりはいかがですか?」
「貰ってもいいかな?」
「はい。」
紅茶をおかわりし、しばしの時を過ごした。




