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一行は時間を潰す間に、昼食を取ることにした。
一度来ているので、どこに何が売っているかなんとなくわかっていたので、案内することになった。
「ここは街みたいに発展しているわね。」
「たぶん人が多く集まる場所だからだと思うよ?」
「そうだな。特にここが第一関門みたいなものだからな。」
初級ダンジョンは、クリアすると一人前に認めてもらえると影ながらの噂が立っているほどである。
討伐に関してはダンジョンだけの評価でいいのだが、護衛もギルドでの仕事があるので、総合的に見てから一人前の認定をギルドで出してもらえる。
「これで、討伐だけなら一人前になったってことだな。後は護衛の仕事か・・・。」
「長期休暇でないといけませんわ。後は、試験前休みなときぐらいですわ。」
「でも、試験前なら試験の勉強しないと無理じゃね?」
「「「「「「(俺)(私)(わたくし)は大丈夫。」」」」」
「しまった・・・。俺だけだった・・・。」
「今からしっかり勉強しておけば問題ないのではなくって?」
「そうだな・・・。依頼も受けたいから頑張るけど・・・。手伝ってくれるか?」
「みんなで教えるから、分からないと思ったらすぐに聞くことだな。」
皆はうんうんと頷きながら、にこやかに笑った。
「さて、お腹も空いたことだし、目一杯食べようぜ!」
「わたくしもお腹がペコペコですわ。」
エクラはお腹を擦り、ジェスチャーでアピールした。
「食事にしよう。ここらへんで美味しいのは?」
「この間食べたあれとあれは美味しかったな。」
「それを含めていろいろ買って食べませんか?」
「それがいいな。買ってどこかで広げて食べようぜ?」
買い込んでどこか広場で食べることにした。
男たちは両手いっぱいに抱えて、女の子は飲み物を手に空いているところを探した。
「どこら辺がいいかしら?」
「木の近くなら、木にお願いして机と椅子を作るけど?」
「その方がいいですわね?」
「そうね。下に座って食べるより、机の方がいいわね。」
そのまま、木の近くに行くことになった。
木の近くに着き、リュシオルは手を使えないので、持ったまま木に額を当てて、お願いし、机とテーブルを作り出した。
「ありがとう。終わったら元に戻すね?」
木にお礼を言い、両手の物を机に置いて着席した。
女の子たちは、置いた順から買ってきたものを食べやすい大きさにカットしてくれた。
「これで完了よ。では食べましょうか。」
「いただきます。」
「さあ!食うぞ!」
よほど皆お腹が減っていたのか、ものすごい勢いで食べ始めた。
「これは美味しいな。」
「このソースも美味しいわね。」
「このジュースもさっぱりしていて美味しいですわ。」
様々な意見が出ていたが、皆それぞれ美味しいと言っていた。
「ここのダンジョンが終わったら、次はどこですの?」
「次のダンジョンは王都のダンジョンになるから、結構な頻度で潜りに行けるんじゃないかな?」
「次は王都か、ならば行きやすいな。」
「ブラックはどこまで進みましたの?」
一応人目があるので、エクラを含め皆は二つ名の方で呼んでいる。
「ん~真ん中ぐらいかな?」
「30階でございます。」
「そうそう30階まで進めたんだった。」
「へ~。さすがだな。地図はあるのか?」
「あるらしいが、あまり正確ではないらしい。」
「それなのにそんなに進んでいるのか?潜れた回数も少ないのに?」
地図が正確でないのになぜそんなに早く進むことが出来るのか疑問に抱いたようだ。
あまり言いたくはなかったが、種明かしをすることにした。
「え・・・そんな魔法がありますの?」
「それは知らなかった。」
「俺でも覚えることができるか?」
皆それぞれであったが、便利だと今回のダンジョンを潜って痛感したようだった。
「覚えれるかはわからないけど・・・あ!覚えれるかも!一応は無属性魔法になるから使えるはずなんだけど、地図とか理解できるなら出来るはず。それか、魔道具を作ったらいけるかな?」
「覚えれなかったら、是非ともその魔道具を作ってほしい。」
「他の人には絶対渡さない・売らないという条件でならいいよ?ただし、作れるかどうかはまた考えてみなければいけないから時間はかかるよ?」
「そう言って、そこまで時間がかかったことないですわ。」
「それは偶々であって・・・。」
少ししどろもどろになってしまっていた。
リュシオルは根を詰めだしたら止まらない傾向があるためである。
「そのうちにね?人数分合った方がいい?」
「もちろんですわ。」
「わかった。人数分用意できるように頑張るね。」
一応約束し、食事を再開した。




