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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
165/375

~164~

 興奮冷めぬままに宝箱を開けると、中にはいいものがあったみたいだった。


「これはかわいいですわ!」

「うん。かわいいね!」


 中に入っていたのはかわいらしいブローチだった。


「これは記念に貰っても構いませんこと?」

「これは持っておくべきだよエクラちゃん!」

「持っててもいいけど、鑑定はいいの?」

「それはお願いいたしますわ。」


 素直にエクラは差し出してきた。

 差し出されたブローチをよく見ると、綺麗に装飾されていて、こんな初級で出てくるとは思えないものであった。


「鑑定してみたけど、これはここで出るとは思えないものだね。効果は、防御膜を5秒張ることができる効果だよ。」

「それはすごいですわ!」

「一時的でも張れたら、逃げる時間を稼ぐことができるな。」

「そうですわね。とっさに張れたら暗殺者の奇襲も何とかなりそうですわ。」

「え・・・エクラちゃんところって暗殺者来るの?」

「結構日常茶飯事ですわ。そして、それぐらい倒すのが貴族の嗜みですわ。」


 聞きたくないことであった。

 貴族の嗜みがそんなものではないと思いたいものだが、実際の貴族が言っているので信じざるを得ないのであった。


「貴族って怖いんだな。」

「そうですわね。他がどうかは分かりませんが、我が家はそうですわね。ですので、使用人は皆武術が出来なければ務めることが出来ませんわ。」

「うん。エクラちゃんの所で働くのは最終手段にするね。」

「いつでも来て構いませんのよ?」

「・・・考えとくね。」


 怖い貴族の事情を聞いて、テンションの高かったレオーネが冷静になれたようであった。


「さて、残りの階層も制覇してしまうか。」

「そうですわね。次の階層からこれも使いますわ。」

「得意のレイピアは使わないのか?」

「レイピアは鍛錬しますが、これも使えるようになっておきますわ。武闘会では刃引きしますから安心してくださいませ。」

「怖いから刃引きした上から布を巻いてね?」

「もう!分かっていますわ!回転で切れてしまう可能性があるということは分かっていますわ!」

「それならいいんだ。」


 しっかりと注意事項は覚えていたみたいである。

 この武器を教えた時に注意事項も教えておいたのである。


「話は終わったか?次に進むぞ?」

「大丈夫ですわ。」

「私もよ。」

「私もです。」

「俺も大丈夫だ。」

「行くぞ。」


 ボスのフロアから出て、次の階層に進んだ。


「ここはゴブリンが出てくる階層だ。ここもペアで行う。」

「だいぶ慣れてきたから大丈夫よ。」

「ここで少し口を挟ませてもらうね。」

「ん?これじゃあだめなのか?」


 慣れてきた頃が危ないと思い、注意を促すことにした。


「たぶん分かっているとは思うけど、改めて声を出して伝えるね?今慣れてきた時が一番怪我をするから気を引き締めてほしい。ペアの時も分かっていると思って、声を掛けないは無しでね?」

「長年組んでいるのと、つい最近組み始めたでは違いますものね。」

「あぁ。気を付けたいと思う。」


 皆からいい返事をもらったので、笑顔で頷き返す。

 そこからは先ほどの話を心にとめて、快進撃を続けた。

 ペアでの動きもどんどん磨きがかかり、阿吽の呼吸まであともう少しかと思われるほどだった。


「もう少ししたら最終ボスなのだが、ボスは?」

「ゴーレムです。」

「ということだ。特徴は分かるか?」

「それならわたくしが。ゴーレムは土で出来ているのから、岩・鉄・銅・銀・金とランクが上がっていくごとに固くなりますわ。そして、この初級で出てくるのは土のゴーレムですわ。」

「倒し方は?」

「それは私が。ゴーレムはコアを壊すことで動きを止めることが出来ます。」

「付け足しで。」


 皆の会話に急に入ったリュシオルにびっくりし、皆がバッっと振り返った。


「びっくりした。声が急に聞こえたらびっくりするじゃない。」

「俺もいるんだけど・・・。」

「いるのは知ってるけど、何かないと口出しがないから、なにかあったのかと思ってびっくりしたの。」

「それは申し訳ない。倒し方のもう一つの方法があるから伝えようかと思って。」

「どうやって倒しますの?」

「要はコアがなければ動かないだから、抜き取ってしまうのさ。」

「「「「「あ!」」」」」

「中々盲点だっただろ?」


 着眼点は皆合っていたのだが、そういうものだと思っていたのだ。


「なるほどね。でもどうやってするのですの?」

「俺のやり方を教えても面白くないから、自分たちで考えて試してみて?」


 宿題を出すように、皆に問いかけた。


「それぞれに合った倒し方が一番いいけど、武器によって、向き不向きもあるから、それを考えて挑んでほしいかな?」


 参謀のプワソンはそのことを聞き、ハッとしたようで、警戒しつつ、ボスの攻略を考え始めた。


「しばらく考えるから、私を抜いてペアを変えて戦って欲しい。」

「わかったぜ!倒せる方法をしっかり考えといてくれよな!」


 リンブルはエクラと組みながら敵を倒していた。

 その間、プワソンはブツブツと呟きながら戦闘を眺めていた。








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