~162~
朝の時間になり、目覚ましが鳴った。
「ふぁ・・・。朝か・・・。」
目覚ましを止めて、伸びをしてから起き上がって部屋着から着替える。
自室を出て、階段を下りて行くとおいしそうな匂いがしてきた。
「お父様、おはようございます。」
「おはようございます。」
「おはよう桜とガルディ。桜はしっかり覚えれたかい?」
徹夜した2人に成果を聞いてみた。
「はい。ガルディ様に知っていることを全て教えていただきましたが、お父様はもっと知っているということをお聞きして、どうすればと思っていたところでございます。」
「徐々に覚えたらいいよ。」
「はい。全て吸収するつもりで精進したいと思います。」
性格良く作ったので、すごくいい子である。
「頑張ってね。そのうちに弟か妹を作るよ。」
「!!!ありがとうございます!!」
とりあえず、試しに作ったのでまた増やすつもりである。
「では、主。食事の用意が出来ていますので、どうぞ食堂にてお召し上がりください。」
「ありがとう。他のみんなも起こしてきてくれる?」
「かしこまりました。桜も一緒でよろしいでしょうか?」
「顔を覚えるために一緒について行っておいで。」
「はい。かしこまりました。」
ガルディに皆を起こしてもらっている間に、朝食を取ることにした。
紅茶が出ていなかったので、取りに行こうかと腰を浮かそうとすると、奥からバルトが紅茶を持ってきてくれて。
「主様は座ってて。僕が紅茶を入れるよ。」
「騎士の格好をしたバルトに入れてもらうのはなんか違和感だな。」
「ひどいよ~。これでもガルディと同じように入れれるんだからね?」
「わかったよ。それにしても、今まで寝てばっかりだったのに起きれるようになったんだね。」
「うん。あの日力を受け入れてから起きていられるようになったんだ。」
「ん~。もしかして原因は成長がうまくいっていなかったってことかな?」
「たぶん必要最低限の力しか備わっていないか、容量が小さかったのかもしれないんだけど、もう解決して、主様と同じ時を歩めるからいいんだ。」
朝から感動することを言われて、リュシオルは胸がジーンときてしまった。
「ありがとう・・・。朝から感動することを言われるとは思わなかったよ・・・。」
「へへっ!たまにはいいでしょ?」
「ふふふ・・・そうだな。」
バルトに入れてもらった紅茶を飲みながら、食事をした。
そして、食べ終わる頃に皆が起きてきた。
「リュシオルが一番か。」
「リューありがとうな。ベットがふかふかで気持ちよく寝れたぜ。」
「リュー君のおかげでいい調子です。だけど・・・。」
「「「「「「「あの子だれ(です)?」」」」」」
ほぼ全員から来るであろう質問が来た。
「その子はね・・・。自分で紹介してごらん?」
「はい。私はお父様より作られたアンドロイド・・・では通じませんね・・・。ゴーレムの桜と申します。」
「ということなんだ。」
皆が口を開けて止まってしまった。」
「お~い!大丈夫?」
「「「「「大丈夫なわけない(でしょ)!?」」」」」
皆から大声で叫ばれてしまった。
「まず、ゴーレムでここまで喋るって何?」
「この滑らかな動きおかしすぎる。」
「もう見た目人間じゃんか。」
「もう何がなんだが分かりませんわ・・・。」
「リュシオル様だからもう仕方ないのでは?」
「「「「「それだ・・・。」」」」」
皆はげんなりして、ルーチェの言葉に納得することにした。
「で、何で作ったんだ?」
「ゴーレムのコアが元で、加工して・・・加工して・・・加工した。」
「つまり別物ですわね。」
「それなら納得だ。」
「もうなんでもいいよ・・・。」
諦めたようで、まるっと納得した。
「それで、サクラちゃんは何する子なんだ?」
「ここの管理を任せようかと思ってね。それで作ったんだ。だから、ここではメイド長だよ。」
「メイド?」
「侍女と一緒だけど、言い方が違うだけだね。でもここではメイド長ね?」
「了解した。サクラさん。これからもよろしく頼む。」
「はい。私も至らないところがあるかと思われますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
挨拶を終えて、皆は食卓につき、食事を始める。
「この後の予定だけど、夕方までにこのダンジョンを制覇したいと思う。」
「ウルフの階層を終えたら、ボスはもちろんのことウルフボスです。」
「だそうだ、ここもサクッと倒して進むが、その次は何か?」
「ゴブリンが出てきます。この魔物も集団で動く習性があります。」
「ということだ。このダンジョンはチームワークなどを試すのにいいダンジョンだと推測されるので、十分にチームワークを高めようかと思う。」
「わかったわ。頑張っていきましょうね。」
「「「おぅ。」」」
小会議を終えて、支度をしてダンジョンに向かうことにした。




