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アンドロイド?を作ったリュシオルは肝心なことを忘れていた。
「あ・・・。動力はどうするんだろ?魔石をコアに繋いだらいいかな?」
再度、寝かして、動力の魔石を付ける。
ちなみにリュシオル加工の最高級品である。
「これで良し!魔力を流して・・・『起動』。」
日本語で起動することにした。
目のように魔石を入れた目が開き、起動した。
「お初にお目にかかります。お父様。」
「そっか作り主が男だからお父様か・・・。うんいいよ。どう?動作の具合を見てみてくれるかい?」
「かしこまりました。」
腰をひねったり、曲げ伸ばしをして動作チェックをしていた。
「問題ないようです。」
「それはよかった。じゃあ次に・・・君の名前だね。君の名前は・・・桜・・・サクラにしよう。」
リュシオルは紙に漢字を書いて、読み方も教えた。
「かしこまりました。個体名「桜」登録完了しました。お父様。名付け有難うございます。」
「どういたしまして。桜の瞳と髪に桜色を使ったからふっと思い出してさ。」
桜の外見は、人形の様な顔立ちで可愛く、目と髪がピンク色である。
「さて、動作に問題ないようだし、この服を着てくれる?」
まだ何も着せていなかったので、メイド服を出して着用させる。
「お父様。申し訳ありませんが、服の着方が分かりませんのでお教えいただけますでしょうか?」
「あ・・・基本知識入れていなかったね・・・。こっちにおいで。」
コアを入れたあたりに手をかざし、一般知識を入れることにした。
「これで出来たはずだけど・・・。」
「着方がわかりました。お父様ありがとうございます。」
うんしょ!うんしょ!と声が聞こえてきそうな頑張りで、メイド服を着用した。
「似合っているね。可愛い。」
「お・・・お父様・・・。」
一般知識を入れたりしたからなのか、表情が少し豊かになり、恥ずかしがっていた。
「可愛く作ったんだから可愛いに決まってるんだけど、服を可愛いの着たら、さらにかわいくなったね。もっと他の服も用意してあげるからね。」
体よく着せ替え人形が出来たようであった。
「それでお父様?私は何をすればよいのでしょうか?」
「そうだ、何も言っていなかったね。桜にはこの館を管理して欲しいんだ。」
「この建物でしょうか?」
「そう。この建物は異空間に・・・。その知識は入れていなかったね・・・。魔法関係も入れてあげるね。」
先ほどと同じように、知識を注ぎ込む。
「ありがとうございます。魔法について分かりました。ここの空間の管理ですね。」
「そうなるね。一応権限をある程度渡すから、管理を頑張ってほしい。」
「お父様に与えられし使命。しかと果たさせていただきます。」
「頼んだよ。分からないことがあれば、聞きに・・・いや・・・念話で伝えて?」
「かしこまりました。その都度でよろしいでしょうか?」
「うん。後は・・・ガルディ。」
執事?のガルディを呼び出した。
「御用でしょうか?はて・・・。こちらは?」
「お父様に作られたアンドロイドの桜と申します。」
「主が作られたのですか?」
「うん。疑似になるけど、ゴーレムのコアを使ってるからゴーレムになるのかな?」
概念的にはゴーレムなのだが、加工に加工を重ねたので、もはやゴーレムとはかけ離れてしまっているのだ。
「さすが主です。して、私が呼ばれたのは?」
「桜に色々と教えてあげてほしいんだ。寝ることは必要としないから、夜の間に教えきれると思うけど、お願いしてもいい?」
「かしこまりました。あらゆることを教えておきます。」
「じゃあお願いするね。」
「では失礼します。桜行きますよ。」
「はい。」
リュシオルの部屋から2人が出ていった後、凝り固まった肩をほぐしながら、お風呂に向かった。
「ん~やっぱりお風呂は気持ちいいな。」
「そんなに気持ちいい?」
「バルトか。浸かっても大丈夫なのか?」
「たぶん大丈夫。この体は金属じゃないし、刀身で入っても大丈夫だから。」
「ならいいけど。」
「ほんとだ~なんか気持ちいい~はまりそう~。」
バルトはお風呂に入って蕩けていた。
「刀がのぼせるとかあるのかわからないけど、ある程度で上がるんだよ?」
「はぁ~い。」
体を解せたので、今日はこれで寝ることにした。
ついに作っちゃいましたw




