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食事をしているときに、リンブルから先ほどの質問がきた。
「さっきも気になっていた、その執事さんは誰なんだ?」
「そういえば紹介できていなかったね。」
「名乗りもせず申し訳ありませんでした。わたくしは、リュシオル様の手甲のガルディと申します。以後よろしくお願い申し上げます。」
「「「「「え?手甲?!」」」」」
爆弾発言に、リンブルは口から卵が落ち、エクラはスープンを落としていた。
「うん。手甲だよ。で・・・。」
ピアスが光り、人が出てくる。
「僕が刀のバルトだよ~。よろしくね?」
「「「「「刀も?!?!」」」」」
「うん。刀も。」
リュシオルはもきゅもきゅと食べながら答える。
「大昔はよくいたんですがね?いつの間にか変化できる武具がいなくなっていたんですよ。」
「昔はたくさんいて、今はいない・・・。」
「アルシュは長く生きてるから知っているのね。」
「はい。たぶん今は作れる鉱物が分からないのと、技術が追いついていないでしょうね。」
「なるほど・・・。これから出来る可能性は?」
「どうでしょう?今の職人の仕事を見ていないので分からないですね。」
よく考えて発言していた。
「これから出来るなら欲しいと思ってしまったが。」
「可能性のあるのは、ドワーフぐらいではないでしょうか?」
「そうか・・・。」
「それで、刀と手甲がこうなったのは元々だったのか?今まで見たことなかったからさ。」
「そうなんだ。今までは喋るだけだったんだけど、ある依頼で、武具玉?みたいなのを手に入れて、バルトとガルディに吸収させたらこうなったんだ。」
「じゃあその玉があれば・・・。」
「なかなか見つからないですよ?それに、武具玉は上級のダンジョンにしか出現しませんから大変ですね。」
アルシュからの答えで、皆が止まってしまった。
「上級か・・・まだまだ先の話だな。」
「頑張って手に入れましょう。」
「私も、武器とお話してみたいです。」
新たな目標が出来たようで、やる気に満ちていた。
「また、特訓とかリュシオル君にしてもらいたいです。」
「そうね。最強のリュー君の技が何割か出来たら・・・。」
「そうだな。わたしからもお願いしたい。」
「わかったよ。学生の間はみんなのサポートをさせてもらうよ。」
「「「「「ありがとう!!」」」」」
食事を終えて、片づけをしているときに、バルトがプワソンにすごく見られていた。
「ふむ・・・。ほとんど人間と同じ・・・。服も高級な生地っぽい。肌は・・・?柔らかい。」
「くすぐったいよ~。ふふふふっ!」
触ったりしていたので、バルトは身をよじっていた。
「た~す~け~て~。」
「プワソンその辺で勘弁してやって?」
「あぁ!すまない。珍しいことが起きているし、こんな機会がないと見れないから。」
「俺も不思議に思ったけど、こんなもんだと思えば馴れるさ。」
「でも、羨ましいな・・・。こんな武具に出会えるのは・・・。」
「もしかするとどこかでプワソンのことを待っているかもしれないよ?」
「そうだといいんだが、まだ、使いこなすだけの力がないから無理だろうな。」
「それは頑張ればいいだけの話だよ。努力は報われるようにできているんだから。」
「そうだな・・・。ありがとう。」
「どういたしまして。」
「早いが、風呂に入らせてもらって、明日のために体を休めることにするよ。」
「わかった。おやすみなさい。」
プワソンと別れて、リュシオルは自室に戻った。
入って来た時に言われた、この館の管理についてのことを考えることにした。
「ん~お手伝いさんを雇うにも人件費・・・。出せないことはないけど、信頼できるものに任せたいし・・・。」
頭を悩ますことである。
時間を止める・クリーン魔法を時間でかかるようにする等々色々考えたが、しっくりこなかった。
「あ~ロボットでもあれば確じ・・・できるじゃないか!ゴーレムのコアで作ればいいじゃんか!そうと決まれば・・・。」
アイテムボックスからゴーレムのコアを取り出した。
「これを鑑定して・・・普通より悪いコアか・・・。これにドラゴンの鱗と合成させて・・・。魔力を入れて・・・どうだ!うん!上級になった!さらに、俺の血をかけて・・・。最高級!」
あまりよくないコアを最高級にするとんでもない方法である。
「これをもとに、メイドさんと執事さん・・・ガルディがいるからメイド長でいいか!」
手で転がしながらどうするか構想を練っていく。
素材などを考え、足りないものは創造魔法で作っていく。
「材料はこれでいいか。骨組みは軽銀でつくって、筋肉組織に似せた素材と・・・。」
ドンドンと組み上げていき、人の形にしていく。
作業をすること数時間。
「出来た!完成!人形の様でかわいい子が出来た・・・。」
渾身の作品にいつの間にか汗をかいていたので、ぬぐった。




