~151~
寮の部屋に帰ると全員集合していた。
「とりあえず、座って話しましょう。お茶を入れてきます。」
レオーネが立ち上がり、お茶の用意をしに行ってくれた。
「お茶の用意が出来てからの話になるけど、まず・・・。リュシオルとルーチェは隠してることないかしら?」
「なぜ?そう思った?」
「それは、推測と・・・後は匂いよ。」
「匂い?」
バレるところがまさかの所だった。
言われたところで、レオーネがお茶を入れて戻ってきた。
「レオーネありがとうございます。そっ!匂い。リュシオルからいい匂いがしているのって知っているかしら?」
「私は知っています。よく匂いには気を付けてらっしゃるようでいい匂いがします。」
「それが、うちの家に残っていた。おかしくないかしら?あの応接室に来たのは違う人物なのにリュシオルの匂いがするのって。」
動物的な嗅覚のような気がするが、リュシオルは自分で匂いを嗅いでもほのかに香るかな?程度のような気がしていた。
「それで気づいたってわけですわ。そして、依頼報告をしに来たある人物が来た時、偶々家に用事がありましたの。隙間から覗いて、見た目は違いましたが、声が一緒ですし、匂いも一緒なら特定できましてよ?」
「そっか・・・。ばれてたか・・・。」
「わたくしを見くびらないでほしいですわ。」
次に違う人物が声を出した。
「私はタイミングがあったのか、ギルドで見かけたの。すごいな~って見てたら、私の近くを通って外に出たんだけど、そのときの匂いがリュシオル君の匂いと一緒だったの。」
「決定打は匂いか・・・。同じ匂いの人っているんじゃないのか?」
「そんないい匂いな人はいないと思いますわよ?貴族の女でさえそんな匂いを出せませんわ。」
女の子たちは鋭いようで確信しているようだった。
「プワソンは分かっていたのか?」
「私は姉から聞いていたのと、実は色々と資料を見る機会があって、時期などを推測すると、そうかなって思ったのさ。ただ、他の人が見ても分からないと思う。」
「はぁ~降参だ。」
「認めますのね?」
「あぁ。俺がシャドーブラックで・・・。」
「私がシャインゴールドです。」
名乗りながら、仮面を被り、変身した。
「え?リューとルーチェちゃんがあのZランクの?!」
「もしかして・・・。リンブルは知らなかったのか?」
「おぅ!なんのことかさっぱりわからなかった!」
「「「「さすがリンブル!」」」」
「なに?!馬鹿にされた?!」
リンブルがいつもの調子だったので、場が和んだ。
「つまり・・・そういうことなんだけど、他の人には内緒にしてほしい。」
「私たちは、この学園で楽しく学生生活を送りたいと考えています。」
「分かってる。もちろん言いふらさない。」
「たぶん、理由があるのだろうと思っていましたが、内緒にされるのは悲しいですわ。」
「いつか言おうと思っていたけど、ここで匂いでバレるとは思ってもいなかった。」
女性陣に対して少し恐怖を抱きそうだった。
「それにしても、その匂いは何ですの?わたくしも使ってみたいですわ。」
「ここまでばれたんだし・・・いっか。最近錬金術と、創造魔法を融合できて、シャンプーとリンスを完全なものを作ることが出来たんだ。」
「さんぷー?りんす?」
「シャンプーとリンスな?髪の毛を洗う石鹸さ。これに好きな匂いを混ぜて使っているんだ。因みに俺の匂いは蜂蜜の匂いだよ。」
「そんなものがありますの?!わたくしも欲しいですわ!それで、その毛の艶だったのですわね。」
「私も欲しいわ。」
「あの・・・私も欲しいです。」
女の子たちはこぞって言ってきた。
「わかったよ。何の匂いが好き?」
「わたくしはバラが好きですわ。」
「私は、菫の匂いがすきね。」
「私はユリの匂いが好きです。」
「バラに菫にユリね?」
好みを聞いて、作り出す。
「これがシャンプーでこれがリンス。使い方はルーチェに聞いてくれ。後乾かし方も教えてあげて?」
「わかりました。」
「他にもボディーソープもあるけど?」
「「「それも欲しい!」」」
「あいよ~。」
フルセットで作ってあげて渡した。
「なくなったら、魔力を注いだら自動で作られるように作っておいたからなくなる心配はないよ?」
「「「さすが!!」」」
「乙女心を分かっていますわね!」
「うんうん。リュシオルだからこそできることだよね。」
女の子たちは「ね~。」と言い合った。
「他に隠していることは?」
「ん?どういうこと?」
「美容とかに関してですわ!女の子が興味のあることをよう知っていると見ましたわ。さぁ!キリキリ吐いてしまいなさい!」
すごい剣幕で問い詰められて、げっそりとするぐらい尋問された。
ついにばれました!




