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本日は少し短めです。
朝になり、朝食を軽く済ませて出かけることになった。
「さて、ダンジョンを見て回りながらだけど学院を目指さないとね?」
「そうですね。そろそろ学院が始まりますね。」
休暇も残り少なくなってきたので、出来るだけ急いで回ることにした。
本日のお付き召喚獣は・・・。
「わたくしも空を飛んだことがありますが・・・。これならよいですわ。」
子ウサギ状態のアンブルである。
今回はリュシオルの腕の中で抱かれていた。
曰く、女の腕の中より、男の腕の中の方が良いとのことであった。
「かっこいい男の腕の中におさまって優雅な飛行とか・・・。贅沢ですわ・・。」
「そう言ってもらえて光栄です。お姫様。」
「よろしくってよ。」
アンブルはご機嫌で鼻歌まで歌っていた。
「今から火山のダンジョンの近くに行くから、アンブルお願いだけど・・・。」
「構いませんわよ。近くなったら言ってくださいまし。」
「ありがと。」
お礼の言葉と共に、耳にキスを落とした。
「な・・・な・・・なんですの?!」
「お礼の気持ちを体で表現しただけだよ?嫌だった?」
「い・・嫌・・・嫌ではありませんわ・・・。ただびっくりしただけですわ。」
長い時を生きた召喚獣ですら顔を真っ赤にする程威力である。
「そろそろ着くからお願いね。」
「・・・分かりましたわ。」
少しブツブツと言いながらアンブルは氷の膜を張った。
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「そろそろ休暇が終わる頃でございます。」
「しっかりと作戦を練ることだ。」
「っは!」
暗い部屋で内密に話が進められていた。
「ところであの計画はどうなっているのだ?」
「はい。今DとTが取り掛かっております。」
「あまり時間がない。増員できるようなら増員し、急がせよ。」
「かしこまりました。」
「そろそろだな・・・。」
組織のトップらしき者がワインを飲みながら指示を出していた。
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リュシオルが飛んでダンジョン巡りをしている頃、リンブルは慌てていた。
「えっと!これを持って行くだろ?これも・・・。」
「リンブル!これも友達に持っていってやんな?!」
「そこに置いといてくれ!ちゃんと詰めるから。」
荷造りに。
「あんたの友達って貴族さんばっかりかい?!」
「そうだけど、気さくな奴ばっかりだぜ?」
「そうかい。いい友達を持ったんだね。」
「おぅ!」
リンブルとお母さんの日常会話である。
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「お母さんあれってどこにやったっけ?」
「あそこに入れたんじゃないの?」
「そうだっけ?・・・あったわ・・・。」
ベリエの家でも同じようなことが起こっていたみたいである。
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「そろそろ行くことにする。」
「気を付けていくのよ。」
「はい。途中でベリエちゃんと合流するから大丈夫。」
「そうね。ベリエちゃんと一緒に乗合馬車に乗るのだったわね。」
「うん。また長い間家にいないけど、みんな元気でね?」
「あなたも病気や怪我をしないようにね?」
レオーネは問題なく出発できたようだった。
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「そろそろ皆も王都に向って出発していることですわね。」
「何事もなく着けばいいな。」
「大丈夫ですわよ?なんたって王都学院に通っている生徒ですもの。実力は確かですわ。」
王都のクレールス邸宅の庭にて、エクラとプワソンがお茶をしながら話していた。




