~15~
悲鳴の聞こえた方に向かっていくと、奥のほうからイヌ科の唸り声が聞こえてきた。
するとまた、「助けて・・・」っと消え入りそうな声が聞こえて、現場に到着すると、首輪をした汚れて怪我だらけの少女を見つけた。
少女の前には少女ぐらいなら一口で食べれるぐらいの大きな銀色の狼がいた。
「おい!こっちだ!!」
リュシオルが大きな声を出すと狼はリュシオルのほうを向き、唸り声を上げる。
ゆっくり刀の柄に手を伸ばし、掴んだ瞬間に狼は襲い掛かってきた。
大きく口を開け、噛み付く体制でかけてきたところをリュシオルは上に飛んでかわしながら跳び箱に手を着いて倒立するかのように狼の脳天に刀を差した。
手を離し、狼の後ろに飛ぶと狼はそのままのスピードで木にぶつかっていった。
「いっちょあがり~!よし・・・大丈夫かい?」
腰が抜けてなのか立てない少女の前に立ち手を差し伸べた。
しかし、手を取らずにそのまま土下座をしてきた。
「このような卑しいものを救って頂きありがとうございます。ただ、私は奴隷としても役に立たないとのことで捨てられたのです・・・このまま生きてはいけないので救わなくても良かったのですよ?」
少女は自分を卑下し、救わなくても良かったと言ってきた。
リュシオルは、言葉を聞いた後、何も言わずに膝をつき少女を抱きしめた。
「や・・やめてください!御身が汚れてしまいます!」
「そんなことはどうでもいい。辛かっただろ?苦しかっただろ?怖かっただろ?泣いてもいいんだよ?」
優しい言葉をかけると、少女は緊張の糸が切れたのか大声で泣き始めた。
『泣いちゃったね~。よほど怖かったんだろうね~。』
『主が近くにいてこの子は助かりましたね。』
バルトとガルディはこの少女が幸運だと話していた。
少しすると、少女は泣き止み、離れた。
「この命のご恩。一生かけてお返しします。どうか、私を連れて行ってください。」
「一生は賭けなくていいよ。そんなに強い相手でもなかったし。」
「いいえ。身の回りの世話などお任せください!」
少女はやる気になっており、これ以上の論争は必要ないとリュシエルは判断した。
「とりあえず、あの魔物回収してきていい?終わったら町に行こう。」
「すいませんでした。どうぞ回収してきてください。」
銀色の狼をアイテムボックスすぐさま収納し、少女のもとに戻った。
「とりあえず、戻ろうか・・・。あっ!途中でゴブリン倒すけど心配しないでね。」
「はい!大丈夫です。」
町に向かい始めたすぐにゴブリンを見つけ、討伐数に達した。
門に着いたところ、ソルダが立っていた。
「おぅ!リュシオルってその子どうしたんだ!」
「ソルダさん。実はゴブリン討伐をしていたら、悲鳴が聞こえて向かったら森の奥で狼・・ウルフに襲われているのを見つけて保護したのさ。」
「さすが、リュシオルだな。事情はわかったからそのままギルドに向かいな!」
「分かりました。」
門から一直線にギルドに向かった。
ギルドに入るとクロワがおり、手招きしているカウンターに向かった。
「リュシオル君・・・その子は?」
「森の奥で襲われているのを保護したんだ。クロワさん・・・魔物を出すとこってない?もしかしたら・・・。」
「分かったわ!こっちについてきて。」
クロワに案内され、少女と一緒に地下の訓練場に連れてもらった。
「今なら誰も使ってないから大丈夫。出してくれますか・」
「分かって頂きありがとうございます。この魔物なのですが・・・」
そう言いながら、アイテムボックスから大きい銀色の狼を出した。
「こ・・これはシルバーウルフ。どこで見つけたの?」
「少し奥に行った所ですね。町には近いです。」
「討伐ランクがBランク・・・よく無事でした。一度これをしまってください。後日また受け取っていいですか?」
「わかりました。」
言われたとおり、シルバーウルフをアイテムボックスにしまった。
「大変だとお思いますが、このまま奴隷商館の方へ一緒に来てもらえますか?」
「この後は何も無いので大丈夫です。あ・・!ゴブリンも終わってるのですがどうしましょう・」
「ありがとうございます。ゴブリンに関しては明日でも大丈夫です。」
クエストの確認だけをし、地上に戻ってギルドから出た。
少し歩くと、煌びやかな大きな建物が出てきた。
「ここが奴隷商館です。」
「大きいですね。早く行きましょう。」
あんまり、眺めてもいたくなかったので、クロワに声をかけた。
中に入ると外と同じように煌びやかな装飾で飾られていた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
あいさつをしながら、受付から細い男が現れた。
「至急、主人を呼び出して欲しい。緊急事項です。」
クロワは受付の男に主人を呼んでくるよう急がせた。
少しも立たないうちに奥から別の男が現れた。
「これは、クロワ様。緊急とのことですが、どういったことでしょう?」
「実は、この子が森の中で捨てられていた。栄養状態も悪く、怪我も非道い。言いたいことはわかるな?」
「分かりました。至急調べさせて頂きます。首輪の番号を控えさせて頂きます・・・。こちらで大丈夫です。控え室に案内しますので、そちらでお待ちください。」
少女の首輪の番号を書き取り奥に消えていった。
受付の男が戻ってきて、リュシオルたち3人を控え室に案内した。
こんな感じで行き当たりばったり書いてます。
大丈夫ですかね?




