~143~
お腹も満たし、満足したので旅を続けることにした。
「予定ではもう少しでダンジョンに着く予定ですね。」
街を抜けて飛び立ち、目的地まで一直線に進んでいる。
「そろそろつくと思うけど、言われてたのよりかなり早くつくことになるね。」
「障害物がなく進むのは相当早く着くのですね。発見です!」
さらに行くこと数時間。
目的のダンジョン前に着くことが出来たのだが、ダンジョン前がキャンプではなく最早町であった。
「これは栄えてるな。そうだよな。武器防具がここでは常に必要とされているもんな。」
「消耗品ですものね。」
手前で降り立ち、町に進んで行く。
リュシオルたちは入ったそばから視線を集めていた。
「あれって・・・。」
「そうだよな・・・。」
「噂の有名人が?」
やはり、見た目からで分かってしまうみたいである。
気にせず奥に進んでいくと、ダンジョンの入口に着いた。
「これはシャドーブラック様とシャインゴールド様ですね。ここのダンジョンにはどういった御用でしょうか?」
「ギルドに肩慣らしでここのダンジョンをクリアしてからじゃないと次を教えませんと言われてしまってね?」
「それはそれは大変ですな。ならば、ここにギルドカードを照らしてから入ってください。」
「これの理由は?」
「これで登録が出来るので、もし死んでしまった場合、ギルドカードだけここの戻ってきて、死亡を確認できます。後は、中に入った人数確認と、クリア後の転移の場所になりますね。」
言われたとおりにギルドカードをダンジョンの門の石板にかざして登録した。
「それでは行ってらっしゃいませ。」
門に手をかけて中に入って行くと、転移させられた。
中に入ると自動的に飛ばされるようである。
「ここからは慎重に行こうか。」
「はい。」
「それにしてもダンジョン内は明るいんだね。」
「そうですね。優しい光ですね。」
ダンジョン内は真っ暗でなく、明かりがあり、火が焚いてあるわけではなく石が光っているみたいだった。
その場から少し周りを眺めた後、出発することにした。
「マッピングしながら進もうか。『マップ』・・・あっ!ダンジョンの地図まで出ちゃった・・・。」
「高性能ですね。」
「最近精度が増してきてるからかもしれないな。これはこれで便利だから、最短距離で行くか。」
地図を見ながらどんどん進んで行く。
ちなみに出てくる魔物もかわいいものでネズミの大きくしたのぐらいが出てくるだけであった。
「1階層こんなものだよな。」
「そうですね。初心者としてはこれぐらいから経験を積んだ方がいいと思います。この魔物は子供でも倒せると言われているぐらいなので。」
喋りながらどんどん倒していき、フロアボスの扉の前まで来た。
「あっという間だったな。さて、入るか。」
扉に手をかけて中に入ると、先ほどより大きいネズミがいた。
「ボスネズミってぐらいだろうな?」
「エトワールの弓の一撃で十分です。」
ルーチェは言いながらすぐに矢を放ち倒してしまった。
「あっけなかったね。むしろオーバーキル?」
「おーばーきる?とは何でしょうか?」
「ん~過剰攻撃って言ったらいいかな?言えば、10しかない生命の生物に1000の攻撃を加えたら?」
「あっ!なるほど。それがオーバーキルですね。」
説明しながら、出現した宝箱に行き開けるとその中には指輪が一つ入っていた。
「これは・・・。素早さの指輪かな?」
「いいものですか?」
「初心者がつけるんだったらいいかもね?」
「では、後で売却しましょう。」
フロアボスのいた場所から奥に扉が出現した。
「次はこっちにってか。結構親切なのか?」
「ダンジョンは生きているって言われてますからそうなのかもしれませんね。」
「強者に優しく、弱者に厳しくかな?」
「かもしれませんね。死は常に隣り合わせですからね。」
次のフロアボスを倒しに進みだす。
6階層からはコボルトが出てきた。
「コボルトですね。」
「想像してたのと一緒だ。」
コボルトは犬の顔をして二足歩行をしている。
体は毛むくじゃらで、身長は100センチあるかないかぐらいである。
「可愛いような可愛く無いような微妙だな。」
「ノワールの方がもっとかわいいです。」
瞬殺していくが、倒した後に石が転がった。
「これは魔石?」
「小指ほどですか魔石ですね。」
「これって売れるのか?」
「火つけ石程度で売れるのではないでしょうか?置いておいてもいいですが、転がったままになるので、ハイエナをする冒険者がでてきてしまいます。」
「それはそれで厄介だから回収しておこうか・・・。こういったときには・・・引力が使い勝手がいいかな?『アトラクション』。」
呪文を唱えると、落ちている魔石がリュシオルの手の中に集まった。




