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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
138/375

~137~

「アンデットに落ちましたか。こうなったらもうどうしようもないですね。」


 アルシュがアンデットドラゴンを見てつぶやいた。


「こうなったらやっぱり強いのか?」

「そうですね。痛みを気にしないし、ただ攻撃的な物に成り下がっていますから。倒すのは普通なら至難の業ですね。それに普通の攻撃魔法は効かず、光魔法のみで攻撃しないといけませんから倒せる人が限られてきますね。」

「そこで俺たちの出番ってわけだ。」


 武器を構えながら、アンデットドラゴンと対峙する。


「動くもの全て敵となっているので、気を付けてください。」

「では、行くぞ?」

「はい。」


 3人は一斉に走り出した。

 どこが弱いとか相手は判断してせずに近くに来たものを倒すスタンスであった。

 まず攻撃を仕掛けたのはリュシオルだが、全く攻撃が通らなかった。


「わぉ。ほんとに攻撃しても弾かれる?これは弾かれているのか手ごたえがないのか分からないな。」

「それは手ごたえがないのですよ。言えば液体を切っているようなものですから。」


 攻撃を避けながらアルシュが教えてくれた。


「なるほど。じゃあ光魔法中心で攻撃で!」


 一旦離れて、リュシオルはバルトに光魔法を付与し、ルーチェは光の矢を作り出す。

 アルシュは人型になり、腕だけ竜の腕にした。

 準備を終えて再び、アンデットドラゴンに駆けだした。


「やぁ!」


 ザシュッと切れる音がした後、その部分が焼けただれて再生しなくなった。


「これは骨の折れる作業になりそうだな。」


 攻撃しながら会話をする。


「そう・・・です・・・ね!ある程度ダメージを与えないと、ホーリネスも効きにくいですから!」


 攻撃を避けながら矢を放ち続けるルーチェ。


「でも、そろそろよさそうだな。ルーチェ!お願いしてもいいか?」

「はい。『ホーリネス』!」


 すると、大きな音を立てながら、ドンドンと崩れていく。


「くっ!これ以上の放出が出来ません・・・。」

「次は私が代わります。『ホーリネス』!」


 ルーチェが魔力切れになりかけたのでアルシュが交代して滅し続ける。

 形が泥の山のようになって、アルシュは魔法を解いた。


「ここまで来たら後は燃やして処理できますが・・・。ここの土壌が・・・。」


 倒したのはいいが、土や草花が汚染され、なにも住めなくなっていた。


「ここからは俺の出番かな?さて・・・。どうやって直そうか・・・。」


 顎に手を当てて、考えながら魔法を紡ぐ。


「とりあえず、この汚染物質は火葬して・・・『クリメイション』。そして、ここは草木や動物も戻ってこれるように・・・地上の楽園かな?『アトランティス』。」


 火葬で一気に燃え上がり、毒ガスを出すことなく処理をし、その後、汚染された地面を見事に楽園のように再生して見せた。


「これは・・・こんな魔法があるなんて・・・。」

「素晴らしいです・・・。どこよりもきれいになっています。」


 アルシュとルーチェは感動していた。


『ありがとう。』

「だれ?」

『私はここの担当の精霊です。』


 聞こえるのは声だけで、精霊と名乗るものが声をかけてきた。


「これは珍しいですね。」

「精霊様ですか?」


 アルシュは珍しそうに、ルーチェはびっくりしていた。


「ここが汚染されているのを友人と見つけてね?それで、友人のためになってしまうけど、ここを綺麗にしに来たんだ。」

『例えそれが友人であるからと言って、このようなことはできません。この恩をどうやって返せば・・・。』

「そうだな・・・。じゃあ、友達になってくれる?」

『へ?そんなことでいいのですか?』

「精霊の友達なんてこんなことがない限りないじゃないか。」


 リュシオルは無茶なお願いではなく、簡単に叶えられるお願いをしてみた。


「そうですね。精霊は臆病で人のいるところに出てこないですからね。」

「俺も初めてだし、せっかくだから友達になろう?」

『私で良ければぜひお願いします。』

「それで、姿は現わせれる?」

『では水で表現いたします。』


 すると、地面から水が湧いてきて、人型にかたどられてきた。


『このような感じでよろしいですか?』

「ほぅ。お前は上位の精霊だな?」

『はい。精霊王の子供でございます。』


 物質化できたことをアルシュが見て、感嘆し、どれぐらいの力があるか見抜いた。


「じゃあ、すごい偉いのでは?」

『大したことありません。この一帯だけしか守護できないのですから。それにこのような状態にしてしまった私の責任もあるのです。』

「でもこれは不可抗力だと思うよ?」

『この状態になってしまい、打破できずにこれ以上広がらないように留めておくのが精一杯でしたから。』


 自分が何とかできなかったのが相当堪えていたようだった。


「何とかなったんだからこれ以上悲観しないで?」

『はい。ありがとうございます。では、友達の印にこれを。』


 手渡されたのは、小指ほどの宝石だった。


『これは私の一部です。なので、これに魔力を込めて頂ければ、私がそこに行くことが出来きます。』

「え・・・体の一部とか大丈夫なの?」

『はい。問題ないですよ?言えば人間でいう垢みたいなものです。』


 にっこりと笑いながら答えた。


「ありがとう。大事に持っておくね?」

『はい。では私はこれで。何度も言うようですが、ありがとうございました。』


 綺麗なお辞儀をして、その場から消えていった。


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