~134~
夜の寝静まった頃、リュシオルの部屋では小さい声で話声が聞こえた。
「あの森の奥には危険な気配がします。」
「アルシュの言う通りです。光魔法の上の聖魔法の使える者しか進むことは無理でしょう。」
「では、アルシュしか連れていけませんわ。後はお留守番ですわ。」
アルシュ・ヴァイス・アンブルの順だ。
因みに今はあの森の危険性に関しての会議が開かれている。
「主に関しましては、わたくしが守りますので問題ないので安心してください。」
ガルディの絶対的な守り。
「攻撃も大丈夫だよ?光魔法を本体にのせてくれたら聖魔法まで昇華するから問題ないよ。」
バルトの絶対的な攻撃力。
「なんだか負ける気がしないな・・・。」
「そうですね。完璧すぎますね。」
リュシオルと続き、ルーチェも言葉を漏らした。
「でも、ギルドに依頼するらしいから、今行ってするのもって感じなんだよね。」
「では、ギルドで依頼が出てからでいいんじゃないですか?」
「王都のギルドで出されるんだから、分からないよ・・・。」
「それなら僕が見てきてあげる~。リュー様の場所は念話で分かるし。」
嬉しい申し出だ。
ジェイドが動いてくれるという。
「シフラさんとは仲が良くなったからね。問題ないよ。」
「ありがとう。じゃあ、クレールス家からの依頼を回すように伝えてくれる?エクラ達が帰ってからだから2日後に行くことになるかな?」
「わかった。明日にでも朝散歩がてらに飛んで行って伝えてくるね。」
「ありがと。じゃあこの問題は保留で。今はこっちに来る様子もないし現状維持だな。」
「心配であるなら結界を張っておきますか?」
「ん~。じゃあ念のために張っておきますか。」
窓の外から方向を見て、座標を確認し、結界を張った。
「これで良しっと。範囲は分からないけど、悪意のあるものがこの土地に入れないようにしといたから安心して?」
「さすがリュシオル様です。このアルシュ感動いたしました。」
なぜか目をキラキラさせて崇拝している。
アルシュの中でのリュシオルはどうなっているのだろうか?
「ま・・・まぁこれで安心だから残り1日楽しもう。」
「明日はみんなではしゃぐんですよね?」
「我はで走り回ってもよいか?」
「広いから大丈夫だよ。小さい姿で申し訳ないけど楽しんで?」
召喚獣たちはそれでも喜んでいた。
話し合いも終わり、就寝した。
次の日・・・。
「その肉は俺のだ!」
「がるるるるるるぅ!」
「どう?おいしい?」
「にゃ~。」
思い思いに、召喚獣達と交流していた。
当然リュシオルもである。
「リュシオル様~。撫でてくださ~い。」
「それはずるいですわ!アンブルも撫でてくださいまし!」
「私も撫でてほしいですね。」
「俺も・・・。」
アルシュ・アンブル・ヴァイス・ノワールと撫でてコールで動物パラダイスであった。
一方ルーチェはというと、シャインとのどかに過ごしていた。
楽しく避暑地で過ごせて、皆笑顔で終われた。
「じゃあ、今度会うのは学校が始まってからだな。」
「そうですわね。皆さん怪我の無いように過ごしてくださいまし。」
「何かあれば、連絡を回してほしい。」
「そうね。連絡は欲しいわね。でも皆怪我の無いようにね?」
「じゃあまた。」
「あぁ。じゃあまた。」
避暑地から馬車が3方向に進んで行った。
「さて、俺たちは一度マルテの街の方に向かって進もう。」
「途中で王都に向うのでしょうか?」
「一回マルテの街に着いてから転移で戻っていく方がいいかな?長引く依頼にはならないと思うし。」
「そうですか。分かりました。」
そういうと背中にバサッと羽を出して、準備をし飛び立つ。
後に続いて、ジェイドとヴァイスも同じく飛び立った。
「一緒に空の散歩が出来るのは嬉しいな。」
「そういえばこうやって長時間一緒に飛ぶのは初めてか?」
「そうですね。出会ったのも学院で召喚されてからになりますから。」
「そうだよな。こうやってのんびりと飛ぶのも気持ちいいな。」
和みながら空の旅を満喫した。
今日は短めです・・・。




