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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
132/375

~131~

 玄関に集まった後、外の裏庭にセバスに案内してもらった。


「地面が見えているのはここぐらいなのですが、ここでよろしいでしょうか?」

「十分です。ここから鉄を取り出して・・・。」


 リュシオルは錬金術で地面から鉄を抽出し、鉄塊を作る。


「見事ですね。錬金術でそこまで出来る人を見たことありません。」

「そうなのですか?これでもマージさんに少し習ったぐらいなのですが。」

「なんと!あの伝説ともいわれたマージに習ったのですか?!通りですごいわけです。」

「知っているのですか。」

「知っているも何も、少し腕に覚えがあれば誰でも知っている方ですよ。ただ、余りにも表舞台に出てこない方だったのでそこまで名前が残っていないのですよ。」

「そうですか。マージさんはすごい方だったんですね。」


 意外なところでマージの凄さを知ることとなった。


「では、続きですね。ここから取り外しのできるように、こうしてっと。糸を通す穴と・・・リールっと。」


 すぐに竿の長さになり、そこから真ん中で取り外しが出来るようにし、リールも作ってしまう。


「これが竿ですね。」

「これはまた凄いですね。この部分で糸を巻き取るのですね?」


 リールの部分を指差してセバスが問いかけた。


「はい。ここに糸を巻き付けてここのストッパーを外して糸を伸ばし、ストッパーをかけて巻き取ります。糸は・・・木から繊維を貰おうかな?」


 そう言いながら、木に近づき、木に手を当てる。

 すると木が動き出し、リュシオルは少し離れる。

一本の根が上にせりあがってリュシオルの手に根の先を優しく乗せた。


「ありがとう。一本分いいかな?」


手に乗せた根はリュシオルの手のひらをキュッと握り、OKの合図を出した。

許可を貰った後はどんどんと木の根を繊維化し、糸にしていく。


「木から糸が・・・錬金術って万能なのですね。」

「万能ですが、万能ではないですよ。しっかりと原理や理を知らないと発動しなかったり、出来損ないができます。」

「やはりそうですか・・・。しっかりと勉強をしなければならないのですね。」

「はい。日々勉強ですね。」


 喋りながらもどんどんと糸が出来ていき、木も長い根を提供してくれたのでたくさんの糸を作ることが出来た。

 もう一度近づき、木に手を当てて軽くキュアを掛けてあげると風がないのに葉をサワサワと揺らしてお礼を伝えてきた。


「これで糸をリールに巻いて、残りの針と重りを作ってっと。これで完成です。」


 完成した竿を皆に見えるように差し出す。


「これが竿なのですのね。竹で出来ている物と大違いですわ。」

「こっちの方がかっこいいな。」

「じゃあ皆の分も作るね。」


 そう言うと、一回作って慣れたのか一瞬で作っていく。


「これで人数分かな。糸は自分で巻いてみる?」

「「「「巻きたい!」」」」


 皆、目をキラキラさせて手を上げていた。

 ちなみにクレールス姉弟も声は出さずに、手を上げていた。


「じゃあ順番に巻いていってね?出来た人は重りと針を付けるから。そしてルーチェ。ミミズを探してくれないか?『サーチで花壇辺りを探したら見つかるはずだよ。』」

「わかりました。探してきます。」


 ルーチェは走って花壇の方に向かい、しゃがみ込んでミミズを探し始めた。


「巻き終わったぜ!」

「じゃあこっちに来て?針と重りをつけるから。」


 巻き終わった人から針と重りをつけていってあげる。

 ルーチェもミミズを探し終えて戻ってきた。


「みんな出来た?じゃあ!湖に釣りに行こう!」

「「「「「お~!!」」」」」


 出来立ての釣り竿を持って湖に出かけた。

 湖に着くと、そこは本当にキラキラ輝いており、綺麗だった。


「すごい大きな湖だな!ここなら魚もいっぱいいそうだな!」

「ではさっそく・・・。」


 ミミズをつけて湖に垂らしていく。

 すると・・・。


「引いていますわ!」

「こっちもよ!」


 入れ食い状態だった。

 そこでリュシオルは違うことをしようと、こそこそと錬金術で作り出していた。


「すごいですね。入れたらすぐに釣れるとは。今までの釣りがどれだけダメだったか思い知った。」

「そうですわね・・・。これなら夕食は魚ですわね!」


 リュシオル抜きで話が進み、皆がまた針にミミズを付けた時に完成した。

 そして、何も言わずに湖に投げ入れて、クイクイと竿を動かしながらリールで糸を巻いていく。

 巻いている最中に魚が食いついた。


「お!来た来た!」


 声を上げながら引いていくと、そこには大きな魚が釣れていた。

 こそこそと作っているときに、網も作って置いたので作りたての網で大きな魚をすくう。


「ほ~。大きい魚だな・・・。あれ?リューってミミズつけてなかったよな?」

「あぁ。これはルアーっと言って、疑似餌なんだ。小さな魚を模して作ってそれを生きているかのように動かして釣るという手法なんだ。」

「へ~そんなのもあるんだな。それって難しいか?」

「ん~ミミズに比べると、腕がいるかな?」

「そうか・・・。物は試しだから俺にも作ってくれるか?」

「いいよ。」


 リンブルもしたいというので作ってあげて、釣りを楽しんだ。




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