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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
117/375

~116~

「それじゃあ、試験5日前は授業もなくなるらしいから、そこからしようか?」

「間に合いません!なので・・・今日から5日前まで授業終わりで交互にしましょう。」

「レオーネの言う通りだな。そうした方が頭によく入るな。」


 なんかもう試験に備えてが凄すぎる。


「わかった。そうしようか・・・。俺も王国史が少し心配だから教えてほしいかな?」

「それぐらいならいくらでも教えますわ!」


 一応話はまとまり、今日は勉強を見ることとなった。


「場所は男子寮でいいかしら?」

「構わないよ。じゃあ、ご飯の材料を少し買いに行ってくるから先に帰っててくれるか?」

「わかったわ。先に始めとくわよ?」

「あぁ。じゃあ後で。」


 そう言って門で別れた。

 目的もあったので、買い物では間違いなかったのだが、昨日の毛皮の加工のことであった。


「毛皮は知られるわけにはいかないしな。」

「そうですね。この格好もばれたくないですもんね。」


 今の格好はギルド仕様である。


「さてと、マスターに言われたのはここだけど・・・営業しているのか?」

「そうですね・・・。普通の家っぽいですけど・・・。」


 見た目はすごく普通の民家であった。


「ここでするのか?とりあえず、訪ねてみよう。」


 ドアをノックし、少し待つと、物腰の柔らかい女性が出てきた。


「あらあら・・・。珍しいですわね。どういった用件でしょうか?」

「こちらに、毛皮加工の最高な方がおられるとギルドマスターより紹介いただいてきたのですが。」

「そうですか。ですが、何年も前に店を辞めているので・・・ほら、普通の民家でしょ?」

「ですが、話・・・いえ・・・現物だけでも職人に見てほしいのです。」

「・・・分かりました。私が代わりに見させていただきますので、中にどうぞ。」


 中に案内されて進んで行った。

 家の中は整頓されており、物も綺麗に並んでいた。


「こちらにお座りください。飲み物を持ってきます。」

「いえ。お構いなく。このままでいいですよ?」

「私がのどが渇いた・・・ってことにしましょう。話が長引きそうな予感がしますので。」

「では、お言葉に甘えさせていただきます。」


 女性は奥に行き、飲み物を用意しに行った。


「これって茶菓子を出した方がいいよな?」

「そ・・そうですね。あのサクサクした奴でもどうでしょうか?」

「クッキーね。それがいいかも。だけど、サクサクしたのは粉が飛ぶからしっとりの方を出そう。」


 アイテムボックスから袋に入れておいたクッキーを取り出した。


「お待たせし・・・あら・・・それは何でしょうか?」

「魅惑の食べ物とでも申しましょうか?」


 そういいながら、袋の口を開け皿にのせると焼きたての匂いを漂わせ、魅了していく。


「こ・・これは何て言う食べ物でしょう?」

「これはクッキーといいます。まずは一つお召し上がりください。紅茶とものすごく合いますよ?」


 リュシオルに進められ、プレーン味のクッキーに手を伸ばし、一口食べる。

 すると、顔がすごく緩み幸せそうな顔になった。


「他にも味があるので食べてみてください。」


 そう言い、ナッツ入り・紅茶・ゴマ・アプジャム入りを取り出し、皿に並べる。

 女性は目を剥き、驚いた後手を伸ばしゆっくりと他の味も食べていく。

 リュシオルとルーチェもお気に入りの味を食べていた。


「これは凄いですね。これはどこに行けば買えるのですか?」

「申し訳ないですが、クッキーは売っていません。」

「なんですと・・・じゃあこれは・・・。」

「私の手作りです。」

「・・・・・そうですか。・・・・では、少しズレてしまいましたが、本題に移りましょうか?」

「そうですね。ではこちらを見ていただきたい。」


 少し考えた女性だが、出された毛皮の切れ端を見て驚いていた。


「こ・・これは・・・」


 毛皮を見た瞬間に、知っているような目をしていた。


「なんの毛皮か分かりますか?」

「たぶんですが、ケルベロスのではとお見受けしましたが・・・。」

「さすがですね。やはりあなたが職人の方でしたか。」

「!!!よく見破りましたね。そしてケルベロス毛皮を見るのはこれで2度目です。」

「毛皮を見る目を見れば分かります。それで、加工はしていただけるでしょうか?」


 リュシオルはジッと女性の目を見て返答を待った。

 女性は目を離さず、見つめ合い、何かを見目た目をしてから目を離した。


「いいでしょう。加工します。しかし、私の思うままに加工させていただけますか?」

「一流の職人がしてくれるのであれば思うままに。用途だけ果たせれば大丈夫です。」

「わかりました。そして代金ですが・・・。」

「いくらかかりそうですか?」

「そうですね・・・。今日のクッキーを1年分としましょうか?」

「「へ?」」


 女性の言葉は耳を疑うようでした。


「だから、クッキーを1年分です。先ほどの袋の大きさを1日と考え、1年分を報酬とします。」

「そ・・・それでいいのですか?」

「マスターから聞いているでしょ?私が変わっているって。」

「え・・・頑固とは聞いていましたが・・・。」

「あながち間違いではないわね。私は報酬はお金はいらないの。もうたくさんあるから。その代り変わったものを報酬としてもらうことにしているの。で、今回はクッキーというわけ。」

「そうですか・・・。」

「食べ物だからアイテム袋に入れないといけないわね・・・。」

「そちらも用意しますのでそれでどうですか?」

「あら!ありがたいわ。では、頑張って作って頂戴ね?」

「はい。必ずそろえて持ってきます。」


 握手を交わし、名前を名乗った。


「私はエーヌよ?」

「私は・・・シャドーブラックとお呼びください。こっちはシャインゴールド。」

「では・・・案の方を聞いていこうかしら?」


 そこから何を作ってほしいか要望を伝え、エーヌの家を後にした。




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