~115~
精神的に疲れていたのか、ぐっすり眠ってしまっていたみたいである。
「ふぁ・・・ん?なんか違和感が?でも普段通りだしな~。さて朝食でも作るか・・・。」
少し違和感を感じたが、身体的にも何もなかったので気に留めていなかったが、部屋から出てびっくりすることとなった。
「ん?誰か・・・誰だ?!」
「主。おはようございます。」
「主様~おはよ~。」
聞きなれた声が現実で聞こえた。
「もしかして・・・。バルトとガルディか?」
「さすがですね。そうです。私がガルディでこっちがバルトです。」
調理場にいたのは白髪で長く、前髪の1房だけ金髪が垂れて後ろで束ねていて、顔には眼鏡を付け、黒の執事服の長身のガルディ。
ソファに座って足をバタバタしている、白髪で短く、ツンツン頭。
ガルディと同じく、金髪が混じっているがガルディと左右対称で左側に金髪が1房あり、金髪だけ長い。
服装は騎士の服装で、少し煌びやかであったが似合っている。そして身長はガルディより低めだった。
「人に変身できるようになったんだな。」
「はい。これも主のおかげです。なった経緯については後でお話ししますが、とりあえず嬉しくて、早くから朝食の準備をいたしましたので、どうぞゆっくりなさってください。」
「これからどうするんだ?プワソンとかに姿を見せるのか?」
「それについては模索中ですね。でも、バルトと話し合ったのですが、私たちは武器で防具であるので、戦闘の多いギルドの時に人形態になろうかと考えています。」
「では、普段は隠す方向だな?」
「そうする~。でも、一番に主様に見て欲しかったの~。」
「俺もうれしいよ。」
「では、バングルに戻りますね。」
「僕はピアスに~。」
2人は光るとバングルとピアスに戻っていった。
『ここからは念話で喋ります。たぶんですが、エトワールもなっていると思います。』
『そうか。じゃあ後で確認だな。』
『これからもっと役に立てると思うから主様よろしくね?』
今日はガルディの用意した朝食を食べることにした。
一口食べると、自分の作ったのとそっくりであった。
『ガルディ美味しいよ。ありがとう。』
『お褒め頂きありがとうございます。これからも精進したいと思います。」
自分の分を平らげて、プワソンとリンブルを起こしに行った。
さっと朝食を取った2人と一緒に学院に行くこととなった。
「おはよう~。」
「「「おはよう。」」」
クラスとも仲良くなってきて、挨拶や、世間話などするぐらいになってきた。
「そうそう知ってる?そろそろ試験があるそうよ?」
「これが、ちゃんと勉強していなかったら追試になって、休みが減るらしいよ。」
それを聞いたリンブルが青い顔をしだした。
「リンブル?どうしたんだ?」
「リュー・・・助けてくれ・・・。」
「え?なに?!」
「授業についていけないんだ・・・。所々分からないとこもあったし・・・。」
「それはお前が寝ているからだろ?」
「う・・・それもあるけど・・・。」
プワソンとリュシオルは揃ってため息をついた。
「リンブルは脳筋っぽいもんな。」
「う・・・確かに体を動かすのは得意だ!」
「自慢するんじゃない。そして自慢することではない。」
プワソンにピシャリッと言われてしまい、凹んでしまった。
「まぁまぁ。試験までまだ時間があるんだし、しっかり勉強していこう?」
「うぅぅ・・・リューが神様に見える・・・。」
本当に神様に出会ったかのように崇めてきた。
「わかったから・・・。そろそろ先生が来るから・・・。」
そう言ったあと、すぐにレイヨンが入ってきた。
「おはようございます。ん?知っている者がいるみたいですね。今日から10日後に試験をします。筆記と実技・レポートを行いたいと思っています。筆記については、授業でやったとこしか出ませんので安心してください。実技は、入学した時より実力が上がっていることを証明してもらいます。レポートについては後でテーマを発表しますので、各自10日後の最終日までに仕上げてきてください。」
「質問いいですか?」
「はいどうぞ。」
「筆記なんですが、取っていない授業の分は出ないのですか?」
「基礎授業の筆記のみとなります。他の授業については、授業中に課題が出ると思うので、その課題を終えて次のステップアップになります。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「他に質問はないですか?・・・無いようなので、これで朝礼を終わりますね?」
そう言ってレイヨンは出ていった。
「あ~。基礎が筆記で他は授業中か・・・」
「オレ・・・オワッタカモ・・・。」
リンブルが片言になってしまっていた。
・・・放課後・・・
「試験前はどうするのですか?」
「リンブルは実技は大丈夫だから筆記に集中かな?みんなはどうする?」
リュシオルはみんなにどうするか尋ねた。
「私は実技が心配だから練習したいです。」
「私そうすると思う。」
レオーネとプワソンは実技派。
「私は筆記が心配だから勉強かな?」
「わたくしも筆記が心配ですわ。」
ベリエとエクラは勉強派。
「リューはどうするんだ?」
「特に筆記も実技も大丈夫だけど・・・。」
「なら!私たちに勉強と実技について教えてくれない?」
「そうですわね!それがよろしいですわ!」
「俺でいいの?そこまでちゃんと教えれるかわからないよ?」
「「「大丈夫!分かっている人がいたらできる!」」」
声を揃えて言うのであった。
試験って嫌ですね・・・。




