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素敵過ぎる?!  作者: とぅるーらぶ
王都学院
105/375

~104~

 洞窟を出ると、ヴァイスとシャインがすでに荷馬車に盗賊を積んでくれて、元の姿に戻っていた。


「この子達は?」

「私の召喚獣です。」

「なるほどね。それにしても綺麗ね・・・。」

「「お褒め頂きありがとうございます。」」

「しゃ・・・喋った?」


 ヴァイスとシャインが喋ったことに驚いていたようだ。


「この子達は上位なので喋ることが出来るんですよ。」

「なるほど。わかりましたわ。帰りはどうしますの?」

「わたしと一緒に乗っていただくことになります。」


 ヴァイスの背中にひらりと乗り、手を差し出す。

 姫様は差し伸べられた手をつかみ、ふわりと浮かびリュシオルの前に納まった。


「魔法を使いましたの?人間がこんな簡単に浮かぶわけないですもの。」

「よくわかりましたね?その通りですよ。」


 にっこりと微笑みかける。

 さすが王族だと思える対応をしてくるが、心の中はこんな感じである。


『何この人カッコ良すぎますわ・・・。騎士より強くて貴族より紳士的・・・。顔も半分見えないですけど確実にイケメンですわ!それに白馬とかおとぎ話の王子様ですわ!』


 絶賛興奮中であった。


「じゃあ、この後を頼んでもいい?」

「かしこまりました。後ほど連絡をください。」

「わかった。では、姫様行きましょうか?」

「え?一緒に帰らないのですか?」

「こっちの方が早いので。しっかり捕まっててくださいね?お願いね?」

「はい。ブラック様。」


 ヴァイスが返事を返すと、駆け出し羽ばたいて空に駆け上がった。


『え?え?ほんとに飛びますの?すごいですわ!すごいですわ!王子さまは飛べますのね!是非とも素顔を知りたいですが、それはたぶん叶わないので匂いを覚えますわ!クンクン・・・はぁ~いい匂いですわ・・・。』


 表情に出さないがまだ興奮中である。


「そろそろ王城に着きますが、どうしますか?門から入りますか?それとも入口まで行きますか?」

「門からは入口が遠いので、入口まで行って?でも結界が張って合って無理ですわ。」

「あぁ~あれですね~。問題ないですよ?すり抜けます。」

「!!可能ですの?」

「あなた様がいらっしゃいますので。普段は壊さないと無理ですね。」

「どういうことですか?」

「少しお手を借りていいですか?」


 王城に近づいてきたので素直にリュシオルの手を取った。

 すると、自分の魔力を少し触られる感覚がした後、その魔力をリュシオルに補充され、ふんわりと魔力の膜に包まれた。

 すると、結界にぶつかると思ったらスルッとすり抜けた。


「こういう仕組みです。王族の魔力がキーになっています。この方法はご内密に。」


 シーっといたずらが成功したような仕草をして、さらに姫様を魅了していたとは、誰も突っ込む人がいない。


「「「誰だ!!」」」

「「侵入者だ!!」」


 リュシオルが侵入したことにすぐに気づき対応した。


「兵は優秀ですね。」

「自慢の兵ですわ。でもこれでは降りれなくなってしまいますので・・・。控えなさい!!私は、グローリア・ロワ・ヘイナードですわ!!」

「「姫様?!」」

「近衛兵を呼べ!!姫様のご帰還だ!」


 下は騒がしくなったが、降りるための場所が開けられた。


「あそこに降りてくださいませ。」

「はい。」


 ふわりとヴァイスを着地させ、リュシオルは軽やかに降りた後、グローリアの手を取り降ろした。


「ここまでご苦労でした。この後も少し付き合っていただけますか?報告しなければなりませんので。」

「承知しています。」

「姫様!その者はいいのですか?!」

「恩人に刃を剥けることを禁じます!何をしているのですか。早く降ろしなさい!」

「仕方ないです。これを見せたら少しは分かってもらえますかね?」


 まだ、敵視されていたので、二つ名になっているギルドカードを見せた。


「あなたは・・・失礼しました。どうぞお通りください。」

「隊長!どういうことですか!?奴は!!」

「安心しろ。あの方は正真正銘のシャドーブラック様だ。」

「え・・・あの人が・・・。年齢も俺より若そう・・・。」


 衝撃の事実で若い兵士は茫然としていた。


「案内をしなさい。王は今いずこに?」

「姫様を心配されて、まだ広間におられます。」

「では向かいます。ブラック様いいですか?」


 リュシオルは頷いて姫様の後を付いて行った。

 付いて行ったのはいいが、中々目的地に着かない・・・。


「王城ってこんなに広いのですね。」

「無駄にね?いつも困っていますの。」

「そうですか・・・。」


 会話もなくなり、黙々と歩くこと数分。

 やっと目的地の広間に着いた。


「開けなさい。」

「「グローリア姫の参上です!」」

「さぁ入りましょう。」


 開かれた扉の中には、大臣やらなんやらと人でごった返していた。


「これはすごいですね・・・。」

「まぁ~私が攫われたのですからね。」


 二人でため息をつきながら中に入って行った。

 ザワザワと騒がしかった広間は姫様が入ると静かになり、あっけにとられた者もいるようだった。

 王の前に着き、膝をつき、臣下の礼をした。


「よく戻ったグローリアよ。」

「ご心配をかけました。こうして無事に戻ってきたことを報告します。」

「ということだ。お前たちは皆下がり、帰りなさい。」


 王は他の者を帰らせてしまった。


「何をしている?兵も下がらせよ。」

「ですが王!得体のしれない者がいるのに!」

「黙れ。そして下がるのだ。」

「はっ・・・畏まりました。」


 王は全員下げてしまい、残ったのは王と姫とリュシオルだけである。



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