~103~
「それでは向かうとしよう。」
「どちらに行くのですか?」
姫様の救出のため行動を開始しようとしたのだが、ルーチェに言うのを忘れていた。
「あ・・・。ごめん。言うのを忘れてたね。場所は山の中腹にある洞窟に行くよ。誰かに乗って行った方が早いかな?」
「わかりました。では、シャインに乗って向かいます。」
「俺はヴァイスに乗せてもらおうかな?」
2匹を召喚し、ヴァイスには元の姿に戻ってもらい乗っていくことに。
ギルド前でそんなことするものだから目立っていたのだが、当の2人は全く気付いていなかった。
そして、白馬?に乗ったリュシオルに見とれている女の子が多いのはもちろんのことである。
『無自覚に人を魅了していますよね・・・。』」
少し周りを見て、ルーチェは心の中でつぶやいた。
そう考えているルーチェにもファンクラブが出来ているとは知らない。
少し様子を覗いてみよう・・・。
・・・・・・・
「ゴールド様を見守り隊。集合!」
「「「「はっ!」」」」
「もうすぐゴールド様がギルドにいらっしゃるとのことだ。十分に一般の暴走が起きないように監視するのだ。」
「「「「はっ!!」」」」
親衛隊が出来ており、統率も取れているようだった。
・・・・・・・
「ヴァイスお願いね?」
「シャインもお願いします。」
2匹は頷き、駆け出した。
2匹はすごい勢いで駆けていった。
「門で一回止まってね?」
「「はい。」」
門の前で2匹は止まった。
「ご苦労様です。これから任務ですか?」
「そうです。いつもご苦労様です。」
「いえ。頑張ってください。」
門番は横に移動し、道を開け、そこからまたすごい勢いで走り出し、目的の場所にたどり着いた。
「ここですか・・・。」
「たぶん一時的にだと思うけど。仲間を待っているっぽいんだ。」
「そうなのですか?」
「あぁ。護送する荷馬車とか用意しようとしているんだろうな。」
相手の予想をしながら乗り込んでいく。
「誰だ!」
進むと誰かいた。
「どうもお初にお目にかかります。シャドーブラックと申します。」
「わたくしはシャインゴールドでございます。」
口調を少し変えて接することにした。
「やけに丁寧だな~。何の用だ?」
「私どもは姫様を返していただきたく参上した次第です。」
「!!!!野郎ども敵だ!!」
丁寧に接していたが敵と気づき相手も戦闘態勢を取った。
「穏便には済みませんでしたね。少し痛い目に合っていただきます。」
「野郎どもかかれ!!」
下っ端どもが2人に襲い掛かってきた。
すぐにバルトとエトワールを構え、応戦した。
相手は10人ほどで大したことがないように思われたが、奥に魔法が使える者が待機していた。
「魔法が使える者がいるからそっちを先に仕留めてくれ。」
「はい。」
「そうはいくか!ファイヤー・・・ぐはっ!!」
「よくやった!」
バルトでいなしながら、ルーチェを褒める。
すると、襲い掛かってきていたやつが倒れた。
「ブラック様。油断しすぎです。」
「そんなことはないんだがな・・・。よっと!」
襲い掛かってきたやつを軽い感じで無力化していく。
「縛っといてくれるか?」
「はい。何しに行くのですか?」
「外に来たみたいだ。」
「!!はい。お気をつけて。」
外に出ると、5人が来ていた。
「どういうことだ?お前は誰だ?」
「誰でしょうね?」
「おまえは・・・シャドーブラックか・・・。」
「意外と知られていましたね?」
「お前ほど有名なものはいないだろう?」
相手はリュシオルのことを知っていたみたいだ。
「お前は邪魔してくるやつなのか・・・。いいだろう俺は、Bとでも名乗っておこうか。」
「組織の2番目か・・・。」
「お?頭がいいみたいだな?まぁ今回は失敗したみたいだし、今日はこれまでにしてやる。」
そういうと、手下の5人を集めると何かの意思を壊して簡易転移で逃げたようだった。
「逃げられたか・・・。」
荷馬車を置いて逃げてしまったためそこにはポツンと残っているだけであった。
「せっかくだから活用しますか。」
荷馬車を洞窟の近くまで持ってきて、中に入った。
「縛れた?」
中に入ると、ルーチェと美丈夫が2人いた。
「おかえりなさい。」
「リュー様おかえりなさい。」
「ヴァイスは分かるとして・・・もしかしてシャインか?」
「はい。そうです。」
ヴァイスは白銀の長髪を揺らしながら立っているその横に、シャインが黒と白の斑の髪のツンツン頭で細身でがっしりしていた。
「2人が手伝ってくれたので終わりました。」
「ありがとうね。さてと・・・。姫様を助けに行きますか。」
奥に進んでいくと、魔法で作られた檻があり、縛られた状態で発見された。
「だれ!」
「わたくしはシャドーブラックです。ギルドマスターの依頼で助けに来ました。」
「そう・・・ありがとう。この縄を解いてくださらない?」
「少しお待ちください。檻を破壊してからしますので。」
「檻まで作ってあったのですね・・・。ここまで縛られて目隠しされて見えないのにどうやって逃げるというのですか・・・。」
「慎重だったようですね。はい。見えますか?」
まず、目隠しを解いてあげると、姫様はびっくりしていた。
「こんなに若いとは思いませんでしたわ。あなたがシャドーブラックですのね。そして後ろに控えてるのがシャインゴールド・・・。」
「そうです。知っていましたか?」
「よく耳にしたからですわ。ありがとう。」
「いえいえ。依頼でしたので。それでは行きましょうか?」
姫様の手を引き、洞窟を後にした。
今日・・・自転車に取り付けたライトが盗まれました・・・。
ショックです!!
*少し話を訂正しました。
「リュー様おかえりなさい。」から少し訂正しています。




