~102~
プワソンが教師を連れて戻ってきた。
「皆さん!大丈夫ですか?」
レイヨンが走って生徒に近寄ってきた。
「大丈夫です。治療もすべて終わらせました。後は運ぶだけとなっています。」
「助かりました。では・・・皆さん!怪我をしている生徒を運びますよ!」
レイヨンの後についてきた教師が、次々と生徒を運んで行った。
「迅速な対応をありがとうございました。リュシオル君のおかげで最小限の被害で済みました。ただ・・。」
「姫様のことですね・・・。」
「そうなんです。行方も攫われた目的もわからずじまい・・・。」
「国に働きかけて兵を出してもらうべきかと・・・。」
「そうですね。一刻も早く帰らなければ・・・。予定を早めます。演習はこれにて終了とし、直ちに学院に帰ります。緊急処置を行います。」
「どうするのですか?」
「まぁ見ててください。」
レイヨンは、何か呪文を唱えると森全体に声が響き渡った。
「皆さん緊急事態が起きましたので、これにて演習を切り上げます。これまでの点は必ず加点するので安心してください。ではこれから1分経った後、緊急転移をしますので、持ち物をまとめて持っておいてください。ではカウントします。」
そういうと、空にカウントが浮かび上がった。
「学院の森ですが危険なのでペンダントに色々細工したんですよ。中々でしょ?」
レイヨンは少し自信ありげに言っていた。
「すごいな。これは全部先生が?」
「そうですね。仕事の合間に依頼されていたので頑張っちゃいました。」
仕事の合間にしていたという。
しかし、これだけ大掛かりで数が大量にいるものなのにそんなちょちょいと出来るようではないと思うのだが、これ以上は時間の無駄なので問い詰めないことにした。
「そろそろですね。準備はいいですか?転移します。」
目の前が光って学院に転移してきた。
「学院に到着です。では私はすぐに王城に行ってきます!」
レイヨンは走って王城に向かった。
リュシオルたちも寮に帰ることになった。
「さて、俺は少し用事があるから出かけるね。」
「なんかあったのか?」
「いや~ギルドに演習終わったら来てくれって言われてたからさ。せっかく時間が空いたから行ってこようかと。」
「それは行くべきだ。行ってらっしゃい。」
男子寮に帰った後に出かけることにしたのだ。
ギルドには申し訳ないが、理由の一つになってもらうとしよう。
『ルーチェ。今からギルドに向かうから、何か理由をつけて出てきてくれるか?』
『わかりました。先に行っててください?』
ルーチェに知らせて、一人ギルドに向かった。
もちろんシャドーブラックの姿である。
「いらっしゃいませ・・。シャドーブラック様ようこそいらっしゃいました。」
「あぁ。こんにちは。マスターはいる?」
「少々お待ちください・・・。」
受付嬢はマスターがいるかどうか見に行ってくれた。
「お待たせしました。いらっしゃいますので、案内します。」
「ありがとう。」
案内されて、マスター室に入って行った。
「何かあったのか?」
「はい。姫様が攫われました。」
「!!!そうなのか!?」
「何か事情を知っていますか?」
「いや・・詳しくは分からないが、王族に反発を持っている組織があるらしいとしか聞いていないんだ。」
「そうですか・・・。」
「それで、助けることはできそうなのか?」
「あぁ~場所は分かってるんで、助けることはできると思いますが、黒幕とか色々と調べたかったので、少しでも情報をと・・・。因みに姫様は大丈夫ですよ。」
「そうか。わかった。依頼料は王に請求するから助けてきてくれ。」
「わかりました。」
挨拶をし、マスター室を出た。
ギルドを出ると、ルーチェが待っていた。
「お待たせしました。ではいきましょうか。」
姫様を救出しに出かけることとなった。
今日は短いですが、キリがいいのでこれで^^




