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私は、日本で生まれて普通に育って現在は女子高生をしていたはずなのに・・・。
ここは草原の真ん中・・・。
ここからどうしろと・・。
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さかのぼること1時間前・・・・
私は下校途中だった。友達の千恵と学校の校門を出て喋りながら帰っている途中で、千恵と移動販売のクレープを食べに行ったのだけど、いつもなら道路の右側、公園の反対側に止まっているのになぜかここのクレープの虜になってから初めて販売車が反対側の公園の方にに止まっていた。
しかし、このことが後々に引っかかってくるとは思ってもいなかった。
「ねえ、千恵。いつもって言うか場所は何年も変わらなかったのに今日は逆だね~。」
私は千恵に素朴なことをつぶやいた。
「確かに、なんか違う場所にいると違和感が感じちゃうくらい通ってるって証拠だよ。」
「間違いないね。ほぼ毎日通ってるんじゃない?太りそうで怖いゎ~。」
千恵と二人でお腹の肉をぷにぷにとつまみながら・・・
「まぁ~結局食べるんだけどね。私は甘いものへの欲求は抑えない!!」
私は声高らかに宣言したところ・・・千恵は
「悠璃は男前だから何しても絵になるから問題ないし、寧ろ甘いものを食べてる悠璃に女の子が集るから隠れて食べたいところだよ・・・」
後半はぼそぼそと聞こえないようにつぶやいたために悠璃には聞こえなかった。
この物語の主人公・雅 悠璃は性別は女の子なのだが、性格・見た目共に美少年&王子様なため女の子に半端なくモテる。
本人は普通に恋愛したいと思うのだが、外見が男みたいで尚且つ私服が男性のような服装をするため女の子にしかモテない。
しかも声まで女子の理想だったりする。
男が近寄ってこないのは単に敵視しているためなのだが、本人は何故かが分かっていなかったりするのだ。
「それにしても今日は小さい子供が多いね~」
周りを見渡しながら千恵キョロキョロしていた。
「そうだね~ほのぼのするね~」
悠璃と千恵はクレープ屋に足を進めながら会話をしていると・・・
ボールがポンポンと跳ねて道路に転がっていくのが悠璃の目に飛び込んできた。
そしてその後ろにはそのボール追いかけて行く小さな男の子がいて、道路には大きなトラックが公園前を猛スピードで通ろうとしていた。
誰も気づかない場面で一人気づいた悠璃は考えることなく飛び出して・・・
「(お願い!!間に合って!!)」
心で叫びながら猛スピードで駆け出し、男の子を突き飛ばした。
悠璃の頑張りが実り、男の子は転び少しの怪我はしているようだが命に別状はないようだった。
「悠璃~~~!!!!」
遠くで叫ぶ声を聞きながら瑠璃は激しい衝撃と共に意識を手放した。