へたれの異世界冒険譚(仮) 予告編
前々から書こうかと思ってた一次創作の予告編です。
あくまで予告編ですので、本編に入った際若干キャラの名前が変化する等の変更点があるかもしれません。
まぁ、大体こんな感じの話なのかなぁ、っていうノリで読み流してください。
いつも通りの日常。そう聞けば平和で幸せな日々が普通連想されるんだろう。
「やぁ、天川君。今日もいつも通りジュースのお使いを頼もうかな? もちろん、君のおごりでね」
「…………自分で買え」
「おや? いいのかなぁ、僕に向かってそんな口を聞いて」
俺にとっての『いつも通り』。それは決して幸せとも、平和ともいえないものだ。こうして、クラスのガキ大将(と言うには少し知的過ぎでどちらかと言うとカリスマだろう)にパシれそうになり、断ればまた奴の取り巻きにぎゃあぎゃあ喚かれる日々だ。
だが、俺にはそんな状況を打開するだけの腕力も、実力も、知力も無い。故に俺は黙って耐える。それが一番楽だから。
誰かに相談なんてしない。したところで俺に味方をしてくれる奴はいないし、味方になってくれても実際に連中を止めたりなんかしてくれやしない。
教師だって見て見ぬふりだ。なんたって俺をいじめているのはお国を代表する大企業の御曹司サマなんだから。人間だれしも自分が一番。わざわざ危険を冒すようなことをする奴の方がまれさ。
「ほら、さっさと買いに行きたまえよ。僕の親愛なる『天川駿』君?」
「………………」
とは言え、母さんが死に、親父は単身赴任でどこぞへと働きに行っている我が家は決して裕福ではない。自分の欲しいものだってそんなに満足に買える財政状況でもないのに、こんな奴のためのジュースを買うだけの金など持ち合わせていない。ま、持ってても買わないけどな。
そんな親愛なる『黒田賢児』君のありがたーいお言葉を背に俺は家に向かって歩く。なにやらまた黒田の奴が言っているが正直興味が無いから聞かない。つーか聞きたくもない。
そんな呪詛を心の中で吐きながら、俺は今日も一人さびしく帰る。生憎、俺には一緒に帰る友達なんてものはいない。友情とか絆とか、そんなものとはずっと昔から無縁だった。もちろん恋愛もな。
そんなさびしいさびしい哀れな俺には、これまた面倒なことが押しつけられるようで……
「あ、駿君! 今帰り?」
「……またお前か。いい加減飽きろよ」
こいつだ。この女。俺が周りから嫌われ、黒田達から絡まれているのを知ってなお何故か俺に絡んでくる意味不明な奴。名を『春咲美歌』と言う。ま、いわゆる腐れ縁だ。幼稚園の頃からずっと近所に住んでいるが、そろそろ離れたいんだよな。こいつは俺とは逆で人気者だってのに。どうしてそんな奴が皆から嫌われている俺なんかに付きまとうんだ……
そんな俺の気持ちには全く気付かず、いつもの明るい声で美歌が俺に声をかける。
「ねぇねぇ、林間学校の準備、もう終わった?」
「あ? 俺行きたくねぇんだけどそれ」
なんでよー!? と叫ぶアホはほっといて歩調を早める。本当に付き合いきれん。
「ちょっと!! 置いていかないでってばぁ!!」
やかましい。こっちは一人でいたいんだよ。
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と、言ったいつも通りの出来事とは数日前にオサラバした。いや、正確には強制的に非日常の空間に放り出されたと言った方が正しいか。
「おら、ぼさっと立ってんじゃないよ!!」
「うぉわ!?」
ひゅん、と木刀が空を切る音が耳元でする。間一髪でそれを避け、返す刃で繰り出された横薙ぎを木刀で受け止めた。受け止めた木刀から伝わった衝撃でそれを持つ手が痺れる。
一体どうしてこうなったのかって? それは俺が聞きたいよ。気が付いたら全然知らない土地に居たんだ。で、見たことも無い生き物に襲われていたところを通りすがりの女剣士に救われた。そのまま安全な場所まで案内されるかと思ったら
『おい、若造。お前、あたしんところへ来い。いいものをくれてやるよ』
……という何ともありがたいお言葉を貰って、女剣士の小屋に回収、もとい保護させてもらうことになったのだ。
「この馬鹿弟子!! 受け止めるなとさっきから言ってるだろう!?」
「あんたの修業が無茶苦茶なんですよ!!」
はぁ……ようやくいつもの憂鬱な『日常』から解放されたかと思ったら、やっぱりこっちでも大して変わらなかった。毎日毎日前の世界じゃあり得ない修業をこなす羽目になったし……
あっちに行ってもこっちに行っても面倒で憂鬱なことばかり……。いい加減一人で静かに暮らしていけるような生活はできねぇのかな……
そんな俺に、さらなる『面倒事』が待ちかまえているなんて、その時の俺は全く想像も出来なかった。
と言うことで予告編でした。
実際の連載は早くて年末、遅くて来年春になると思います。今予告編を書いたのはなんとなくです。書きたかったんです。すいません……
今作も、おにぎり(鮭)の妄想100%、ご都合主義、gdgd要素多数の駄作になる気がしてなりませんが、それでも読んでくれる人はしばらく待っていてください。
ではッ!