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03月13日、金曜日

 放課後、部活に行こうとしたら職員室前で藤也のお父さんを見かけた。


「こんにちは。あの、藤也がなにか?」

「あれ、聞いてない? 女の子たちと揉めて呼び出されたんだよ」

「聞いてないです」


 その時、校長室の扉が開いて教頭先生が顔を出した。


「あ、須藤、こっちこっち。三枝さんも来たんだ?」

「えっ、私も何か?」

「須藤……藤也くんに聞いて来たんじゃないの? なんだあいつ、女の子にカッコつけたがるのは由紀に似たのか」

「藤也、瑞希そっくりですよね」


 教頭先生は肩をすくめて、お父さんは笑った。


「須藤にも十分そっくりだよ。頑固なところが! 三枝は部活に行きなさい。藤也くんがかっこつけたいなら、呼ぶのは野暮だし。須藤はこっちでお説教」

「じゃあまたね、メイサちゃん」


 お父さんはニコッと笑って校長室に入っていった。

 えー? なんだったの?



 部活の後、昇降口で藤也が待ち構えていた。


「悪いな、クソ親父が」

「お父さんには何もされてないよ。何だったの?」


 藤也は私の手を取って歩き出す。

 唇を尖らせる藤也が言うには、学年末試験の初日から、藤也は私の下駄箱に入っていた手紙を回収していて、今日の朝一に犯人を問い詰めたらしい……ホームルーム直前の教室で。


「それで相手が泣きわめいて収集つかなくて、親呼ばれちまった」

「それで、お父さんが」

「うん。教頭が親父の昔の担任らしくて、話が早いからってさ。やー、怒られた」


 怒られたのは、花屋さんが忙しい時期に揉めたことで、相手の子を問い詰めたことはお父さんにも先生に怒られなかったらしい。


「まあ、人前で追い詰めたのは説教されたけどさ。つまんねー思い込みで先輩に嫌がらせする方が悪いし」

「う、うーん?」

「ね、褒めて」

「なんで!?」

「ハニーに嫌がらせする連中黙らせたから、褒めて」


 それは助かったけど。


「えっと、じゃあ」


 背伸びして、繋いでない方の手を伸ばす。

 藤也のサラサラの髪を撫でた。


「ありがとう、藤也」

「まだ94日だし、今は、これでいっか」


 ニヤッと笑って、藤也は私の頭を撫でた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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