02月13日、金曜日
放課後、部活に向かう途中で藤也を見つけた。
……めっちゃ大きい紙袋を2つ、両脇に下げている。
「藤也、すごい量だね」
「うん。先生が紙袋くれた」
半笑いで袋を見せてくれる。
中身はバレンタインのチョコレートだ。
「66日目だけど、妬いた?」
「ううん、颯以外にもこんなにもらう人がいるんだってびっくりしてる」
颯も去年は紙袋が溢れるくらいもらっていた。
今年は早いうちから、
「彼女から本命チョコもらうから、それ以外は受け取らねえ!!」
って宣言して、今日も昼休みに断っているのを見かけた。
「すごいね。ニキビできそう」
「そういうこと言うなって。できやすいんだよ」
「じゃあ、ちょっとずつ食べないとね」
笑いながら並んで歩いていたら、ふと藤也が立ち止まった。
「あんたは、明日くれるんだろ?」
「そのつもりだよ」
「ならいいんだ」
藤也はホッとしたように笑って、また歩き出す。
「俺以外に誰かあげた?」
「友チョコ配った。余ってるけど、そんなにあるなら、別にいいか」
「良くない、それもくれ」
カバンから残ってた友チョコを取り出す。
紙袋の一番上に乗せようとしたら引っ込められた。
「お腹空いたから、今食べさせてよ」
「いいけどさ」
ビニールをむいてつまむ。藤也が口を開けたから放り込んだ。
「うまい」
「駄菓子だよ」
「それがいいんじゃん。まだある?」
「うん、あと2つある」
「じゃあそれは帰りに食べさせてくれ」
「わかった。じゃあまた、あとで」
中庭の手前で別れる。
あいつ、あんなに甘えた後輩だったかなあ?
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