02月11日、水曜日
藤也の家にお邪魔して、まずは試験の範囲を確認していた。
場所はリビング。
藤也の部屋に行くかと思ったけど、
「練習でお家デートは嫌なんだろ?」
なんて言われて、リビングで教科書を広げている。
……でも、そういう雰囲気は一つもない。
それどころじゃなかった。
「うわ……2年、範囲広いな」
「ねーもしかして、一ヶ月前って遅かった?」
「そうかもな」
藤也だって自分の勉強がある。
私はいい加減、自分の勉強は自分で頑張らないといけない。
とにかく全教科の範囲を確認して、小テストの見直しからだ。
「あー、それ、たぶん試験に出る」
「そなの?」
「3回も小テストしてるってことは重要な単元だろ」
「あ、そっか」
向かい合って、なんだかんだ喋りながら進めていく。
勉強会っていうより、確認がメインだし。
気付いたら夕方だった。
「わ、もうこんな時間。藤也の家、夜ごはん何時? そろそろ帰ろうかな」
「あーそうだな。たぶん、そろそろじいさんばあさんが帰ってくるわ。片付けよう」
帰りも送ってくれると言うから、甘えて駅まで一緒に向かった。
バスだと早いけど、なんとなく二人で並んで、夕日を眺めながら歩く。
「誘ってくれてありがと。私一人だったら絶対やんないから」
「勝たせるって約束したからな」
手が重なって、指が絡む。
これも練習なのかな。
「今日で64日。だいたい二ヶ月。ま、頑張ってるんじゃねえの」
「そうかな」
「うん。ご褒美は、もうちょい我慢しとけ」
藤也は立ち止まって、つないでない方の手で私のほっぺたを撫でた。
親指で少しだけ唇をなぞって、手が離れる。
悔しいな。
かじってやればよかった。
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