02月10日、火曜日
夕方、部活を終えて藤也と並んで駅に向かう。
「今日で63日目だけど、それはそれとして学年末試験一ヶ月前だ」
「えっ、早いね」
「それは、何がだ? 勉強を始めるのがっつったら怒るぞ」
「どっちもだけどさ。そっか、三学期って短いなあ」
はーっとため息をつくと白く曇った。
手は温かいけど、ほっぺたが寒い。
「そうだよ。今回の試験は、この1年でやったことが全部出る。だから勉強しないとまともに点が取れない」
「そうだった。助けてください」
「少しは自分で頑張ろうとしろよ。まあ、いいけど。そういうわけだから、明日は家で勉強するぞ」
「えっ、家!?」
見上げた藤也の顔は、女の子を家に誘ったとは思えないほど渋かった。
もっと嬉しそうにしなさいよ。
「親が、失礼のないようにつって、うるさくて」
「藤也のご両親、二人とも優しそうなのに厳しいんだね」
「お前にこれだけ厳しい俺の親が、優しいわけねえだろ」
「なるほど」
「納得すんな馬鹿。とにかく、明日は家に来い。昼過ぎに駅な」
藤也はまだムスッとしたままだ。
「直接行くよ?」
「迎えに行かないと何言われるかわからん。あーでも、家の方には誰もいねえから気にすんなよ。親は店に出てるし、桔花と蓮乃も親かじいさんの手伝いに行ってるだろうし」
「わかった。じゃあ、お家で二人きりなんだ」
言い終わる前に藤也がバッと私を見下ろした。
「……そういう意味じゃ!」
「ん? なに?」
「いや、なんでもない」
改札前で分かれるときも藤也は口をへの字にしたままで、そこまで嫌なら誘わなくてもいいと思うんだけどなあ?
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
楽しんで頂けたらブクマ・評価・感想などで応援いただけると大変嬉しいです。
感想欄はログインなしでも書けるようになっています。
評価は↓の☆☆☆☆☆を押して、お好きな数だけ★★★★★に変えてください!




