12月15日、月曜日
ヤバい。いい加減ヤバい。
何がって、期末試験だ。
……颯は柊ちゃんに教わって頑張ってる。
きっと柊ちゃんは成績が良くて、私みたいな赤点ギリギリのバカとは違うんだろう。
「うー……」
半泣きで図書室で勉強してたら、向かいの席に誰か座った。
「恋愛弱者で、しかも頭も悪いとか終わってんね」
須藤は相変わらず感じ悪い!
1年生のくせに!
でも言い返す気力もない。
「わかってる……でもわかんない……」
「ったく、何がわかんないんすか?」
「1年にはわかんないでしょ!」
「そーっすね。俺が分かるのは、この式が間違ってることくらいっすね。あと、ここの答えも違う」
「えっ、あっ……」
悔しい。1年生に間違い指摘されて、悔しいやら恥ずかしいやら……。
「もしかして、あんた頭いい……?」
「1学期の期末は学年3位でしたね」
「マジで」
「ちなみに柊先輩は20……何位だったかな」
「園芸部、頭いいの?」
「先輩たちがけっこう教えてくれるからね。先輩同士でも授業の話してるし。そういう文化ができてるんで、自然と部内全体で順位いいんすよ、園芸部」
マジか……サッカー部には絶対ないやつだ。
私が女マネの先輩に教わったのは手際のいいコーンの集め方とか、効率のいい筋トレやストレッチ……いや、それ普通に女マネの仕事だわ。
「で? 負け犬先輩は俺に言うことがあるんじゃないですか?」
「……数学、教えてください」
「よく言えました。6日目にして、ちょっと素直になったかね」
須藤の切れ長の瞳が細められた。
顔がいいのが、よけいにムカつく!!
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