01月27日、火曜日
昼休み、お弁当を広げようとしたら、教室の入り口から呼ばれた。
「メイサ、飯、一緒に食おう」
「え、うん」
友達にニヤニヤされながら、藤也の後を追う。
連れて来られたのは、図書室の準備室だった。
「ここ、ごはん食べていいの?」
「大丈夫。司書もたまに食ってるし。……あのさ、昨日はごめん」
長机に並んでお弁当を広げると、藤也がこっちを見た。
「え、なんで藤也が謝るの。いきなり意味不明なこと言った私が悪いでしょ」
「……んなこと、ねえよ」
藤也が唇を尖らせる。
「俺がちょっと……親父のことが苦手なんだよ。その、中学のときに反抗期で、親父にぼろくそ切れられたことがあって」
「あー……」
「それは、俺が悪かったんだけどさ。でも今じゃ親父の方は俺のこと全然気にしねえし。こっちがどれだけ怒っても、のれんに腕押しって感じ」
なるほど。
ちょっとわかるかも。
藤也が怒ってても、にこっと笑って流してたもんね。
「えっと、私にできるのは『そっか』って聞くくらいなんだけど。んー……でも昨日も言ったけど、知らないし、パパさんのこと」
唐揚げを食べながら言葉を探す。
なんて言えばいいのかな。
馬鹿な自分が恨めしい。
「逆なんだけどさ。パパさんに似てるから藤也がかっこいいんじゃなくて、藤也に似てるパパさんもかっこいいって思うんだよね……伝わるかな」
藤也は黙ってお弁当を食べていた。
全部食べて、蓋を閉めてから顔を上げる。
「今日で49日」
「え、うん」
「メイサ、笑って」
「なんでよ。んー……、藤也くん?」
「78点」
「なにその、微妙な点数」
「おまけ」
「意味わかんない」
私を見る藤也の顔は、笑ってるのに泣きそうだった。
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