01月26日、月曜日
部活中、洗い物をしていたら藤也がやってきた。
「寒いなー」
「ねー。……あのさ」
「ん?」
藤也はホースを蛇口につないでいる。
よく見ると、手はガサガサであかぎれだらけだった。
きっと、園芸部のせいだけじゃなくて、実家の手伝いもしてるから。
昨日だって、手伝いをしてるってママさん言ってたし。
あんなにいいハンドクリームを使っても追いつかないくらい、藤也は頑張ってるんだと思ったら、なんでだか目が熱くなった。
「えっと、さ。私前に、藤也のパパさんのこと『イケオジだね』って言ったじゃん」
「なんだよ、いきなり」
藤也の声が低くなる。
顔を上げられなくて、手元ばかり見てしまう。
「私は、あんたのことしか知らない。だから『イケオジ』って言ったのも、あんたに似てるからで」
「はあ?」
「だから……ごめん。うまく言えない」
藤也は何も言わない。
「あとね……あれ、嘘」
「嘘?」
「うん。前に、あんたのこと『かっこいいと思ったことない』って言ったけどさ、嘘」
「48日経っても、意味分かんねえ」
ほんとだよね。私、何が言いたかったんだろう。
「ごめん」
藤也の顔を見られないまま、その場から去った。
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