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12月11日、木曜日

 ……昨日のあれは何だったんだろう。

 まだイライラしたままサッカー部の朝練に向かっていたら、校門のところで人とぶつかった。


「わ……ごめんなさい……、んげ」

「お、昨日の負け犬先輩じゃん」

「なっ!?」


 昨日の1年生が自転車片手に、ニヤッと笑って私を支えていた。


「負け犬は自分で立つこともできないわけ?」


 キツイ言葉に、私の中の何かが爆発した。


「ウザ! なんでそんなこと言われなきゃいけないのよ! そうだよ、どうせ好きな人一人振り向かせられない負け犬だよ!!」

「弱い犬ほどよく吠えるんすね」

「な、こっちのセリフだから! なんなのよ、昨日から!」


 1年生の手を振り払って離れる。

 離れてみると、その男の子はすらりと背が高くて、どこか見覚えのある顔をしていた。


「人の目の前でメソメソキャンキャン泣きわめいてるのは誰だよ」

「ムカつく!」


 思わず叫んだら、1年生は肩をすくめた。

 余裕ぶっててムカつく!!


「はいはい、まずはそのキャンキャン吠えるのやめろ。そんなん好きな男いねえだろ」

「うぐ……」

「昨日も入れて、今日で2日目。先が長そうだな」


 え……?

 なにそれ……?


「なにぼけっとしてんだ。あんたが言ったんだろうが。『100日で私を勝たせて』って」

「あ……うん。言ったけど……」

「じゃ、まずは俺の顔見たら、かわいく笑ってみろ。明日でいいから」

「えっ……」


 目の前で、やたら楽しそうに笑う1年生が何を言ってるのか、ちっともわからなかった。

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