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12月25日、木曜日

 今日はクリスマス!

 でも学校は大掃除。

 朝練のあと、颯と柊ちゃんがクリスマスデートの話してんの聞いちゃって、テンションだだ下がり。


「はー……寒い……」


 ゴミ袋を抱えて、外のゴミ捨て場に向かう。

 寒いし重いし、女の子一人でやることじゃなくない?

 フラつきながら歩いてたら、外から須藤が歩いてきた。


「一人で何してんだ、あんたは」

「見ればわかるでしょ。大掃除のゴミ捨て!」

「ったく、今日で16日だぞ? 少しはかわいくなれって」


 須藤は呆れた顔で、私が持っていたゴミ袋を半分取り上げる。


「えっ、なんで」

「違う。『ありがとう』だろ」

「……うん、ありがと」


 さっさと歩いてく須藤の背中を追いかける。


「で、負け犬先輩は今日もボッチでクリスマス?」

「う、うっさいな。部活のあと友達とファミレス行く。そっちこそ何かないわけ?」

「あっそ、可哀想なボッチ先輩だったらクリスマスデートでもしてやろうかと思ったけど」

「いらないし! そういうのは好きな人とさあ」


 言いかけたら、須藤は呆れた顔で私を見下ろした。


「夢見すぎ」

「うぐ……。じゃあ、あんたならクリスマスデートなにしてくれるのよ」

「んー、イルミネーション見て、飯食って、でっかい花束渡す」


 須藤はニヤッと笑うけど、そっちのほうが夢見すぎじゃない?


「意外とかわいいこと言うんだね」

「嫌?」

「ううん。たぶん、嬉しい」

「やっぱ、女子ってそういうの好きだよな……」


 なんでか須藤はため息ついて、行っちゃった。

 なんだったんだ?

クリスマス(というか12月に入ってから)、藤也は実家で「そういうのが好き」な人のために父と祖母がブーケやアレンジを延々と作るのの手伝いです。

***

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