12月21日、日曜日
私が勝ちたいって言ったのに、須藤にばっかりあれこれさせるのは違うと思う。
というわけで、コンビニで雑誌を買ってきてメイクの研究だ!
今までギャルっぽいメイクしてたけど、柊ちゃんみたいにナチュラルに変えよっかな。
……てか柊ちゃん、ノーメイクっぽいけど。
雑誌をパラパラめくって、よさそうなメイクを見つけて真似をする。
けっこうかわいくできたっしょ?
自撮りして須藤に送る。
すぐに返事が来た。
『昨日との違いがわかんねえけど、ケバい』
なっ、酷くない!?
『何を変えたわけ?』
えっ……。
手元の雑誌を見る。
雑誌がギャル向けだから、大人しいメイクとか全然載ってないじゃん。
スマホでおとなしい顔を検索して、それに寄せたメイクに直してみる。
『悪くないけどさ、それ、テンション上がる? その顔でいつもみたいにキャンキャン吠えてたら意味ないよ。今日で12日。そもそもどうなりてえんだよ』
は? そもそも?
……彼氏、欲しい。
「かっこいい彼氏に、私が一番って言って欲しい」
『それってさ、誰かの一番になりたいんだろ? 誰の?』
わ、わかんない!
いや、わかんなくはない。
颯の、一番になりたかった。
でも、もうなれない。
スマホを伏せて、メイクを落とす。
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