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けれど遠吠え

作者: あまなす

その家の犬は夜

決まって

遠吠えをする


いや

していた


その犬は

年老いて

だから

若いときのように

自分の声を

あちらの山まで

届かせるなんて

いまでは

できない


あちらの山どころか

ちょっとそこいらの

野原あたりにだって

届いているのだか

あやしいくらいだ


そのことは

その犬が

よくわかっている


わかったうえで

けれど

遠吠えをする


いや

していた


そして

自分の力の衰えに

しょんぼりする


それを見かねて

となりの家のねこが

その犬にかわって

遠吠えらしきことをしはじめ

ここのところ

にゃーにゃー

と大きな声を

はりあげている


犬は

ねこの大きな声を

聞きながら

若かった昔を

なつかしむ

ちょっぴり

目を潤ませながら


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