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北空最前線  作者: ワンステップバス
第二章 日本海軍
6/8

第五話 第二航空戦隊

前回のあらすじ:呉基地に到着した凪。

見た目で守衛を若干困惑させるものの、赤穂大尉の出迎えを受ける。

一通り基地の案内を終え、秋月姉妹と数年ぶりに再会。

昼食を終え、その後伊吹に講堂に連れられる…

 2月6日… 13:44… 講堂…

 伊吹に連れられて講堂に来た。

 ここで私の紹介をするみたい。


「えーっと、前々から言ってた空軍のパイロットが来ました~」


「「「「おぉ…」」」」


「じゃ、出てきてもらおっか」


 私は前に出ている伊吹の隣へ向けて歩く。


「三沢 凪中佐でーす」


 ザワザワ…


「背…高けぇ…」「顔面偏差値80超えてやがる」

「飛電に乗れるのか?」「なんか女っぽいな…」

「三沢……!?」「中佐の兄か!?」「全然似てねぇ」


「中佐はね、皆察してると思うんだけど七海の姉。お姉ちゃん」


 講堂内あちこちからどよめきが起こる。

 きっと皆男だと思っていたのだろう。


「女なのか…!?」「こりゃ驚いた」

「信じらんねぇ」「姉妹揃ってパイロットなのか」


「凪は普段第2飛行団の203飛行隊の隊長やってて、腕は空軍トップだとか」


「「「「おぉ~」」」」


 少し恥ずかしい。

 こうやって持ち上げられるのは。


「まぁ、そんな人だ。仲良くしてやってくれ」




 数分後… 基地司令室…


「んじゃ、二航戦の主要幹部紹介するね」


「…なんで私の部屋でやるの?」


「丁度良いから」


「そっか…」


 この双子は相変わらず。

 昔から何も変わって無くて嬉しい。


「じゃ、副司令から」


「副司令の常盤です」


「参謀長の深草です」


「作戦参謀の町屋です」


「航空参謀の長嶋です」


「「「「宜しく」」」」


「因みに皆30代」


 司令官は20代。副司令と参謀は30代…昔じゃ考えられない事が起きている。

 海軍って頭固いのか柔らかいのか分からない。


「軍令部とか海軍省って何考えてるか分かんないんだよなぁ~」


 伊吹がそう零すと同時に、副司令達が頷く。


「良い事も悪い事も、両方やるからな。上は」


 作戦参謀は笑いながらそう言う。


「空軍も大変だろう。スクランブルも年々増えていると聞く」


「えぇ、本当に。でも最近は慣れてしまいましたよ…あの発進頻度に」


 最近はほぼ毎日スクランブル発進がかかる。

 スクランブルが無い日は月に1度あるか無いか。


「ん?」


 机の上にタブレットが置いてある。

 コレは何だろう。


「コレ何?」


「あ、ボクの」


 伊吹のタブレットだった。

 何に使ってるのだろう。


「何に使ってるの?コレ」


「仕事。デジタル化出来る書類は全部コレで処理してる」


「へぇ~…デジタル化が進んでるんだね」


 空軍は未だに紙ベース。

 それに比べて海軍は進んでいる。


「中佐、ほとんどの基地ではまだまだ紙ベースだ」


「あっ…」


 海軍もまだまだ紙ベースの様だ。

 完全なデジタル化が達成されるのはいつになるのやら。


「軍令部では徐々に進みつつあるが、まだまだ紙の時代は続くなぁ」


 参謀長がため息交じりに言う。


「まぁ、これがうちの主要幹部だ。全員頼りになる」


『頼りになる』果たしてこの伊吹の言葉は本当なのだろうか。


「んじゃ、もう戻って良いよ。ご苦労さん」


「「「「失礼します」」」」


 そう言うと、副司令達は基地司令室を去って行った。


「あ、摩耶寝てる」


 伊吹が摩耶がいつの間にか寝ている事に気づいた。

 摩耶はパソコンのきキーボードの上に突っ伏して寝ている。


「ホントだ」


「昨日は深夜まで仕事してたらしいからねぇ…お疲れさん」(ナデナデ)


 伊吹に撫でられて摩耶は心なしか嬉しそうだ。

 二人とも凄く可愛い。


「よいせっ」


 突然、伊吹は摩耶を抱えた。

 そしてソファーに寝かせた。


「掛け布団…は流石に無いか」


「伊吹」


「ん?」


「変わってないね、本当に」


「…さてどうかな」


「……」


「ボクは蒼龍に行くよ。カメラの整備をしてくる」


 そう言うと、伊吹は部屋を出て行った。

 部屋に残された私は、摩耶が寝ているソファーと反対側のソファーに腰掛ける。

 摩耶は起きる気配を見せない。


「…少し位触っても、起きないよね」


 私は摩耶に近づき、ほっぺたをつつく。


「………」(プニプニ)


 柔らかい。


「…うへへ」


 心なしか嬉しそうだ。

 …揉んでみようか?寝ている間なら許される…はず。


「…いや、辞めておこう」


 ガチャッ


「あ、凪ねぇここに居た」


 七海が入って来た。

 何の用だろう?


「飛電、見たくないか?」


「!見たい!」


 飛電。日本海軍の最新鋭艦載機!


「いいぜ、見せてやるよ。付いて来い」


 七海は手招きして、私に付いて来る様に促す。

 私は七海に付いて行く。




 10分後… 蒼龍格納庫…


「これが私の機体。飛電37番機」


「これが飛電…!」


 写真で見た事はあるけど、やっぱり実物は違う。

 機体に触れ、手触りを確かめる。


「…このフックが着艦用の奴だね」


「あぁ、そうだ。それを上手く引っ掛けて機体を着艦させるんだ」


「…上手く引っ掛けられるかな」


「引っ掛けてもらわねぇと困るな。1機何億すると思ってんだ」


「…私の命は?」


「どうでもいい。海ポチャしてもどうせ生きてるからな」


「私そこまで生命力高くないけど!?」


「へっ」


 今日も七海は元気で嬉しい。

お読みいただき、ありがとうございます!

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(付けると作者が凄い喜ぶよ)

よろしくお願いいたします!

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