第二話 なんか変わってない?
前回のあらすじ:アラート待機所に籠った凪と葵であったが、すぐにスクランブル発進が下命される。
飛び上がった凪と葵は目標機であるロシア国籍のG650に対し通告を何度も実施する。
しかし効果は見られず、遂に領空内に入った。
何度も機関銃による警告射撃を行うも効果は無い。
それどころか相手は執拗に煽って来たのだ。
そして、この攻防は突然終わる。
相手が『積荷を見せる』と言い、中に居る客の声を聞かせた。
凪は我慢の限界に達し、見事な威圧で侵犯機を強制着陸させる事に成功する……。
1月13日… 11:22… 千歳基地…
「ねぇ、葵」
「なぁに?」
「人の入れ替わり、なんか激しくなってない?」
「確かに、この前も201空のパイロット、入れ替わってたよね」
「うんうん。島田も大変だね」
キィィィィィィィン…
窓の外を見てみると、スクランブル発進で飛び立っていくF-15Jが見えた。
今回はまともな領空侵犯かな?
…領空侵犯に『まとも』何て無いか。
「領空侵犯が日常…よくよく考えたら異常な事だよね、葵」
「うん、領空侵犯何て、普通はそうそう起こる物じゃないよ」
「どーしてこうなっちゃったのかなぁ…」
多すぎるスクランブル発進。
多すぎる領空侵犯。
主権って何だっけ?
食堂… 11:32…
「「いただきまーす」」
今日の昼食はサンマ定食。
サンマのと漬物と味噌汁と麦飯。
「凪ちゃんは今日も沢山食べるね~」
麦飯を食堂の人に止められるまで盛った。
もっと盛りたかった…でもお茶碗が小さすぎる!
「なんか最近どんどん人が入れ替わってるよね」
葵の言う通り、最近人の入替が激しい。
「まだうちは何とも無いけどね」
「警務隊も管制隊も…あ、高射砲も入れ替わってたよね」
「何考えてるんだろうね。空軍省は」
「ねー。何考えてんだろーね」
14:35… 日本海…
キィィィィィィン…
「よいせっ」
現在、空中給油訓練中。
別に、編隊飛行の向きが変わっただけだから難しい訳じゃない。
「KC-767。いつ見てもおっきいなぁ」
[給油完了。離脱セヨ]
「了解。離脱する」
ブームが767に収納される。
収納されると同時に操縦桿を操作して767から離れる。
[2番機、これより給油を行う]
[了解]
葵の機体が767に接近する。
私はその周辺で待機。
「ねぇ、今日の767さ、何かぎこちない気がするんだけど?」
[えっ?そうですか?]
「うん。スムーズじゃないなーって」
[よく気付いたな!今日のパイロット、うちに異動して初めて何だよ!]
「…767の経験は?」
[今回が初めてだな!]
「嘘…えぇ?」
[それ用の訓練は受けてるからこうやって配属されたんだろうな]
「時期が謎なんだけど」
[俺もそう思うな]
17:21… 千歳基地…
「…あれ?あんな人居たっけ?」
見覚えの無い人とすれ違った。
「あの人も新しい人だって」
「人事謎過ぎでしょ」
人を入れ替えるにしても、少し早すぎる気がする。
3月とかにまとめてやれば良いのに。
「なんで今なんだろうね」
「もしかしたら葵も…?」
「ま、まさか…そんな事……有り得る…」
「あり得るから怖いよね」
「ね~」
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