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大人の恋心 (LOVE YOU/スピンオフ)  作者: 設樂理沙


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82/83

大人の恋心 80-2 +81

80-2.


 遅くとも9時には家に居たかった私は、流石に家に9時

までに帰りたいとも言えず、電話の約束という口実で

亀卦川さんに伝えた。


 駅周辺で何度か行ったことのある店に私たちは入った。

 とんかつの専門店だった。


 食事は大層美味しく、食事している間彼からの話は差し

さわりのない話題で終始した。


 食べてる間は食事に夢中になり過ぎてしまい、終わって

から私は、今日彼は何で私を食事に誘ったのだろう? と

いう疑問に駆られた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「ガキさん、実はさ、俺・・離婚したんだ」


 私は驚き過ぎてすぐに反応できなかった。

 どうして何の関係もない私なんかに、そんな話を。


 「それでさ、今日の話っていうのは・・」


 いうのは?


 「結婚前提に俺と付き合わない? 」


 何か聞いてると、私が断らないだろう前提みたいな

聞き方をされているように聞こえた。


 今までの私たちの付き合い方からすると、そうなっちゃ

うのかな?


 彼が石川さんと付き合っているのを知らずにいた頃なら

ううん、付き合っていた頃でも、私の方を選んでくれてい

たら二股さえも許して、OKしていたかもしれないもんね。


 だけど・・・。


 

81.


「ありがとうございます・・」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 プロポーズではないけれど、それに近い言葉で交際を

申し込んだ、のに・・。


 ガキさんは、うれしそうじゃなく、下に俯いたまま返事

をしない。


 俺はこんな状況を全く予想していなかったので、続けて

どんな言葉を掛ければいいのか分からず、困った。


 そして彼女の長い沈黙で、俺はハタと断られる可能性に

気付いた。やばい、非常にヤバイ。


 石川に続いて、ガキさんにまで自分は振られるのかと

思うと、口の中が渇いてしようがなかった。


 「今すぐに返事しなくても構わないよ。

 その気になったら、声掛けてくれるとうれしいかな。

 突然で驚かせてしまったね。取り敢えず今日はこれでお

開きにしますか」


 1人で話を帰結させ、ガキさんを促して店を出た。


 「じゃあ、気をつけて。

 また飯でも食おう」


 「はい。今日はご馳走様でした」


            ・・・


 はぁ~、参ったな。

 なんか、運気急降下だな、全く。

 康之はあつい熱風に晒されながら、家に帰る気になら

ず夜の街に消えていった。




 

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