大人の恋心 72
72.
「正直に言います。
桂子んにお礼の電話なりメールなり、しようと思いつつ、何だかできなくて
・・お恥ずかしい」
「できない時は、無理しないほうがいいですよ。
それに私のほうも連絡しませんでしたから、おあいこということで」
「はぁ、面目ない・・デス」
・・・
「かき氷、おいしかったです。
ありがとうございます、こんな素敵なお店に連れて来てくれて」
「いやや・・やや・・気に入ってくれて良かったです。
この後、よければプラネタリュウム見に行きませんか? 」
「ひゃぁ~、また涼しい所に行けるんですね。うれしぃ~」
「笑・・笑・・」
桂子さんは相手を喜ばすことの上手い人だな。
タクシーを店の前まで呼び、駅までひとまず戻ることにした。
「じゃあ、ボチボチ行きますか」
「行きましょ、行きましょ。
プラネタリュウムなんて何年振りかしら。楽しみぃ~」
駅に着くと、小野寺さんは、、レンタカーを借りてタクシー乗り場の
近くまで迎えに来るので10分ほど待っててくださいと言い置き
足早に駆けて行った。
ちょっと遠出になるのかも。
駅のコンコースを出ると夏の日差しをモロに受けるだろうから
わたしはゆっくりとタクシー乗り場のほうへ歩いて行くことにした。




