大人の恋心 60
60.
" Not Funny 洒落にならない "
1Fまで亀卦川くんが送ってくれた。
そして彼はそのまま踵を返したのだった。
彼はもうすでに部屋を取っていたのかもしれない。
このホテルで1泊し、明日帰るのかもしれなかった。
私はその足で、タクシーを拾って帰途についた。
・・・・・
私は知世さんの紹介で小野寺さんとしばらくの間交流があった。
このことがなければ、もし今回のようなシチュエーションに
なっていたら亀卦川くんの奥さんには申し訳なく思いつつも、一緒に
一泊してしまっていたかもしれない。
大人の男女がいい雰囲気のBarでお酒を飲んでほろ酔い加減で
口説かれちゃったら、、ましてや、一度はそういう仲になってたわけだし
行っちゃうよね? 普通。
日頃そんな素敵なシチュエーションなんてまずない女にとって
やり過ごすなんて至難の技だわよ。
私は律儀な自分を褒めてやりたいと思った。
・・と共に、ボチボチ知世さんにこの見合いの成り行きを
知らせておかなきゃとも思った。
良い知らせができなくて申し訳ないけれども。
翌日は午後からの出勤だった。
今週中というか、いくら遅くても今月中には知世さんに
報告しないとね。
下手すると小野寺さんから旦那さん経由で知世さんへ報告、なんてことになったら洒落にならないじゃない。




