大人の恋心 59
59.
亀卦川くんは、テキーラをオレンジジュースで割ったものに
グレナデンシロップを混ぜたテキーラサンライズという
カクテルをチョイスした。
情熱的なオレンジ色のカクテルと冷めた感のあるブルーのカクテル。
今の亀卦川くんと私? ・・ンなわけないか!
ちらりと下らない妄想を脳内に浮かばせた私だったけれど
妄想でもなかったみたい。
カクテルを飲み干す頃に亀卦川くんから口説かれてしまった。
ここはホテル、すぐに部屋が取れる場所。
私はフリー。
だけど・・・まだ知世さんに小野寺さんとのこと、あらましを
報告していない。
首の皮一枚で完全にフリーとは言えない身で、亀卦川くんと
寄りを戻すようなONE NIGHTはできないよなぁ~と、律儀な
私の性格が頭をもたげる。
小野寺さんからはっきりと断りの言葉も貰っていない。
知世さんを裏切るようなことはしたくないという気持ちが
One Nightへの欲望をねじ伏せた。
自分の中では結構早く結論は出ていた。
後は断り方だ。
ピシャリというのは、悪手だ。
「ありがとうゴザイマス...でも今日は体調的に、、その
残念なんですけど・・ごめんなさい」
「あ、あぁ、いいよ・・いいよ。だいじょうぶ。OK,OK」
こんな遣り取りで甘い夜の時間、シンデレラタイムは
終わってしまった。




