大人の恋心 49
49.
" Dress Upドレスアップ "
支払いを済ませようとレジのところまで来たところで
見知った人物が少し離れて目の前を通り過ぎて行った。
気になって支払いどころではなくなった。
俺はまた元の座っていた席に戻ることにした。
良かった、まだorderしていた皿やコップが下げられずに
ある。
つまみもビールも残さず席を立っていたので残ってなくても
しようがなかったのだが、とにかく俺は元いた場所にひとまず
座った。
正確には辰野が座っていた席に。
俺の座っていた席からだと見えにくく、彼らがとっとと
場所を決めてくれたお蔭で、最初から辰野の座っていた席と
決めて戻ることができた。
彼らが決めたテーブル席は右側の席をひとつ挟んだ斜め前
の席で表情まで分かる距離だった。
男女のカップルで女性のほうは紛れもなく桂子さんだった。
俺の中で・・ホテルのレストランでドレスアップして食事する
彼女なんて想像すらできなかった。
このホテルはレストランに隣接しているバーが設けられている。
カップルで来ているなら、バー、そして上の階のホテルという
流れはおかしくない。
ざっくばらんでいつもジーンズやパンツルックしか見慣れて
なかった俺はかなり驚いた。
本人だと分かるものの、別人のように見えた。




