大人の恋心 43
43.
" An Enjoyable Day 楽しかった "
「いえいえそんなに何も大したものはお出ししてませんから。
でも喜んでもらえて良かったです。私も赤ちゃんの話題で
自分の感じた気持ちを共有できるとは思ってなくて楽しかったです」
産まれてすぐのBabyの顔が小さいという共通の話題でほっこりし
ピザを窯で焼くところやその味を堪能し、そしてクリームソーダを
作るのを面白がり喜んだ彼は、帰って行った。
艶めいた雰囲気には1mmもならなかったけれど、ホント今日は
私も楽しかったなぁー。
彼は35才という年の割にすれてない人だなって思う。
いい人だなぁって思う。
だけど・・
次はもう誘うことはしない、
と私は決めていた。
結婚の意志もないのにこれ以上付き合いを続けてもきっとロクな
ことにはならない、そう思うから。
楽しくてキレイな思い出のまま・・。
庭に出て、気を付けてね、と彼を見送り、走り去るテールランプの
灯りを見ながら
「Bye bye! Some day,see you again! いつかどこかでまたね。
I don't think I'll see you anymore. もう会うこともないと思うけれども」
「ンと、楽しかったなぁ~。人とこんなふうに楽しい時間を
過ごしたのは何年振りだろう」
亀卦川と会った後は少し苦しかった。
そして小野寺と今日会った後・・今は少し寂しい。
だけど苦しさはなかった。