バラニカ視点
ふぅー今日も一仕事したわね
晩ご飯何食べようかしら
仕事も難なくこなし、さぁ帰るかと書類を片付けていると
どだだだだだだたぁーーー
通路の方からやたら騒がしい音がこちらに段々と大きく聴こえてくる
バッゴーーーン
勢いよくドアが開かれ、そこには髪の毛を乱しながら金髪ブロンドの超絶美人が咳を切らし開口一番
「ゴラァァ バカーーーーーー」
大変似つかわしくない罵声をこれでもかと叫ぶ
「ナナエルじゃない?どうしたの?」いつも怒ってるナナエルが今日はいつにも増して怒っている、怒るとシワ増えるよ??
「どうしたのじゃないわよ、この履歴書の......
平井ユウタっていう青年はどこに!!」
「それならもう......」私は先程開けた異世界のドアの方を指差す
ナナエルはみるみるとしゃがみ込み頭を抱え始めた
「あなた、履歴書ちゃんと確認して送ったのよね」突き出された書類を確認したけれどどこもおかしな事は......あれ?MP のステータス表記の所お金になってる??
「この人は、本来、お金持ちとして不自由無く異世界で暮らしてもらうはずなのに、お金に困らすステータスにしてどうするのよ!!
その為の最終確認を行ったのでしょう??ちゃんとスキルやこれから向かう所を説明したんでしょうね??」
説明はしてなかったような気がしないでもないですがこのステータスなら問題はない気がします。
「まぁこのステータスなら最初は苦労すると思いますが、将来的には大丈夫じゃないですか?
終わり良ければ全てよしですよ」
私が自信満々に言えどもナナエルは決してジト目をやめない
「あんたミスばっかりするんだから他に何も無いでしょうね?天使は嘘をつかない
もし会話の時に嘘ついてたことになれば天使剥奪されるわよ」
「大丈夫ですよ、彼の願いは妹に逢いたいと書かれてましたけど、掟で同じ異世界に飛ばせては行けない事になってますから」
私は胸に手を当てて嘘をついてない事を神に誓う
手を振った拍子に
机の上に絶妙な具合で均衡を保ってた紙がひらひらとナナエルの前に落ちてきた
平井ナユ 異世界先 ユグラシル
平井ユウタ 異世界先 ユグラシル
「......ゴラァァ バカーーーーーー」
今日一番の、雷が鳴り響いた