プロローグ
プロローグ
俺は死んでしまった。
家が燃え、大事なお金を取りに火の中に入ってしまったものが運の尽きだった。
命より大事なものは無いと言うけれど、金がないとどうしようも無いこともある。
俺は、死にたくはなかったがこれといって後悔してることもない。
「147番の方お入りくださーい」とても澄んだ声がよく通る綺麗な声
っと俺の番か
死んだあとは何故か役所的な所に案内され
履歴書みたいな何かを書かされた。何故みたいなかと言うと......
「147番まだですかーー? 」
「失礼します」死んだ後にどうなるかはわからないけれど、建前上きちんとしていたほうがいいだろう。
慌ててドアノブを回し、中に入ると綺麗な女性がいた
あと目につく机に散乱された紙の束
見た目は秘書でもやってそうな人なのに机の散らかり具合を見て出来そうな人とは思えない。
「履歴書を見せてもらえますか? 」
履歴書であってたんだこれ、そのまま美人秘書に渡すと向かいに座るように促された。
「平田ユウタさんですね。私は天使をやっております。バラニカと申します。貴方のこれからについてお話します。わからない事があれば聞いてくださいね?」
「あっ はい」
秘書は履歴書に目線を落としながら
「簡単に説明しますと、貴方には転生してもらいます。ここは貴方をどの世界に行ってもらうかどのようなスキルを決めるか判断する場所です」
「ところで、履歴書に書いてあるのですが、何故貴方はお金にここまで拘るのですか??」
一応言っておくが俺は、履歴書にそんなことは書いていない。すでに書いてあったのだ。
俺が書いたのは最後の項目だけで
「人生お金を稼いで楽をしたいじゃないです......か??」
さっきまで履歴書を眺めていた天使がこちらの目を、まるで何かを見抜こうとしてるかのように
「本質は少し違いますね、嘘も言ってないけど本当の事も言ってない、私は天使です。嘘を見抜く事なんて余裕ですよ」
「そんな嘘みたいなこと.....「天使は嘘をつきません」
「別にこちらが一方的に質問をしていって見抜いて行くと言うことも出来るのですが、そちらのがお好きですか??」真っ直ぐにこちらを見られ心の奥底まで見透かされそうな錯覚に陥ってしまう。
「昔、妹が入院してたんだ。でもどうしても入院費用が足りなくて、満足な治療を出来ずに
それからお金があれば困る事はないと......」
俺は何年振りかに本心を言った気がする
「それで、最後の願い事の欄に 妹に会いたい と書いてあったんですね。」
天使は履歴書に色々書き込むと履歴書が無くなってしまった。
「残念ながら、最後の項目の願いは、叶える事ができません。三親等以内を同じ異世界に飛ばす事は禁止されているのです。」
「そうですか、、」元々会えると思ってなかったからそこまで落ち込みはしないけど、少しは落ち込んでしまう。
「でも特別に、妹さんは今は冒険者をやって元気にしてますよ」
「本当ですか??」
「はい、天使は嘘をつきません」秘書はそう言って立ち上がるとさっきまで無かった扉に数字を打ち込んでドアノブを引く
「この扉をくぐれば異世界に行けます。
平田ユウタさん新しい世界で頑張って来てくださいね。」
言われるままに席を立ち導かれるままドアをくぐってみる
(あれ?俺スキルの説明とか何もされてないんだけど向こうで教えてくれるんかな)
まだ慣れてないから遅いかもしれませんが、コメントなどしてくれたら嬉しいです。