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家に帰りたい  作者: 美香
1/2

【現】

久しぶりの投稿となります。ストーリーは特に展開しませんが、それでも宜しければ、お読みになって下さいませ。

 その日、リギチン子爵家当主であるポジティフ=ライゴン=リギチンは、嫡男である筈のハフノン=ライゴン=リギチンに、重々しくも告げた。


「――お前を我が家から追放する。」


 と。



 突然だが、ハフノンには前世の記憶があった。地球と言う惑星の、日本と言う国で生まれ育った記憶が。彼が記憶を思い出したのは、この追放日より凡そ8年程前の、4歳頃の話だった。


 特別な何かがあった訳ではない。


 普通に、繰り返す何時もと同じ様に、その更に前日の夜に寝ただけだ。けれど夢を見たのだ。1970年代に生まれてから40年以上過ごした嘗ての過去を。それはダイジェスト的な内容で、ざっとでしかない。また、自身の死については一切の情報が無かった。

 ランクは真ん中くらいの大学を卒業し、強運で大企業に就職、職場恋愛で30歳手前でデキ婚し、娘が生まれ、やがて年相応に出世し、娘が成長し、思春期の代名詞たる反抗期に入ってはいたが、妻のお陰か、格別な問題もなく、まあ、仕事も家庭も上手く回っていた様な……、そんなリア充生活の夢を、まるで主人公視点ならぬ主人公視界の動画を視聴するかの様に見たのだ。

 そして翌朝、そんな夢から覚めた時には前日とは思考能力が大きく変わっていた。その思考能力は「前世の人格が目覚めた様には思えない」、「前世の人格が今世の人格を乗っ取った様にも思えない」、「それらが可能になる程の思い出ではない」、「何故ならば前世の自身の名も、家族の名も思い出せないからだ」と主張し、「寧ろ今世の人格が前世の記憶に己を明け渡さぬ様に一気に成長したのだろう」と結論に導いていた。


 それと同時に、ハフノンは今世が「『魔法やスキルがある王制ナーロッパ』な世の中にある」と気付く。


 まずこの世界では5歳になると教会で生活魔法、或いは基礎魔法と呼ばれる魔法を教会で授与される。魔法の授与は「神の祝福を与えられる」と言う名目で行われ、身分も富も関係無く与えられる決まりだ。

 そして貴族であれば更に12歳になると教会でスキルを授与される。これを「神の加護を受ける」と表現する。「神の加護」を受けねば貴族ではないとされている為、どんな貧乏貴族でも最低限後継予定者にはスキル授与儀式を受けさせる。その為に教会に金を出す。当然、体面がある為、家格が上である程に出費額は大きい。

 因みに魔法もスキルも専用の神具を使用する事で与えられるが、それは別に教会関係者でなければ扱えない訳では無い為(以前に色々あって判明した)、神具を持つ教会が王家よりも権力が強い訳ではない。少なくともハフノンの一生の間では「カノッサの屈辱」的事件は起きないであろう。

 尚、前世を思い出したハフノンには、前世で会得したと思われる知識もあり、その知識から魔法もスキルも神による祝福や加護であるとは思っていない。


 スキルを授かる前も授かった後である今も。


 スキル授与により、貴族と認められたハフノンは本来であれば、貴族の学校に入学の準備に掛かる筈だった。しかし予定通りとは行かず、追放を宣言されてしまった。


 その原因は彼が授かった、授かってしまったスキルにある。


 説明されずともそうと理解していた。



 前世の記憶が戻る前、ハフノンは無邪気に魔法授与を楽しみにしていた。それは非常に子供らしい感情だった。まるで誕生日が待ち遠しい子供の様に、或いは小学校への入学を楽しみにする子供の様に(この社会では誕生日を祝う文化があり、生年月日【地球とは1年の長さが違うが、そもそも地球の1秒とこの世界の1秒が同じである保証も無いので、理系脳ではないハフノンは余り突っ込んで考えていない】を重要視する。しかし年度始まり、年末、年度終わり、と社会行事は時期が定まっている。結果、日本に於ける4月の入学式時に6歳と7歳の子が居たりする様に、此方でも魔法授与式には4歳と5歳の子が居るし、スキル授与式には11歳と12歳の子が居る)。

 しかし前世では魔法は空想の産物だった。幼い子供ならばいざ知れず、それ以外ならば魔法の存在等、誰も信じていない。序でに言えば、宗教にのめり込んでいなければ、神の神業なぞも誰も信じていない。


 けれど、そう言った不可思議な力には憧れがある。


 見事な手品やまるで心を読めるかの様な技術を持つ心理のスペシャリストが持て囃されたりするのはそう言った憧れが原因ではないか。

 科学が進んでいない時代に様々な占いがあったのも、「絶対にコイツら凄腕のマジシャンじゃん」としか思えない奇術師がやれ悪魔の力だとか魔女だとか、神の奇跡だとか宣う伝説があるのも、神や自然への畏れだけでなく、憧れが下地にあるからではないか。

 ……まあ、考えた処で答えが出る訳では無いが、とにかく、如何にダイジェストで他人の人生の記憶であっても、40年以上の人生経験の記憶は、容易にハフノンを魔法が存在する事への興奮に駆り立てた。興奮は強い興味を引き寄せ、魔法授与の前に魔法に関する歴史を―、即ち神話を知りたがった。

 急に勉強家になったかの様であったが、そもそも魔法授与式前後で子供の内面が大きく成長するのは良くある事で、彼の変化を注視する者は居なかった。

 ハフノンが調べた子爵家の書庫にあった神話には、この国の建国に繋がるストーリーが幾つか存在したが、それは人間が都合良く付け足して行ったのだろうと、そこはまあガン無視、ではないが、あくまでも一通りしか読んでいない。恐らく各国にも似た様なものがあるだろうから、小説としては気になる面もあったが、流石にそうしたものは一子爵家には置いていないらしく、学校の図書館に期待する事にした。

 尚、この国の貴族は名誉貴族や一代貴族を除くと、男爵、子爵、伯爵、侯爵、辺境伯、公爵の6つの家格があり、その内、家庭教師が付くのは伯爵家以上となる。別に法律で決まっている訳でも無い為、経済的事情等で変わったりするが。そしてリチギン子爵家は極普通の一般的な子爵家なので、ハフノンには家庭教師は付いていなかった。成人前の子供の教育は、家庭を取り仕切る夫人、即ちハフノンの母の務めであった。

 当然、ハフノンは母により詳しい神話の説明をねだったが、専門家でない母も知らず、「一子爵家では本も揃えられないが、学院ならば」と言われ、それが学校の図書館に期待する事へと繋がっていた。

 しかし、夫人は「勉強家となった嫡男の為に」、と言う母心から、ハフノンが特に知りたがっていた創生神話についての詳細が書かれた本を伝を辿って会得し、ハフノンに与えた。


 この内容がハフノンに「魔法やスキルに神様は関係ない」と思わせたのだ。


 創生神話の内容を簡潔に説明するとこうだ。


 昔、大きな大陸に住んでいた神々は、自分達と同じ姿をした、知恵ある生物―人類―を創り、同時に彼等へ試練付きのギフトを与え、自ら達は天へと住まいを変え、人類が試練を超えて、恵みを手にするのを現在も見守っている。


 …尚、ギフトとは神具と分割した大陸である。人類は当初、神具の扱い方が分からず、それを解明する試練を乗り越え、スキルや魔法を得、また大陸が分け離たれた事で、今までは起こり得なかった災いがあり、それを乗り越える事で恵みを得たと言う。

 ハフノンはそんな神話の詳細を知り、まだまだ幾つも使い勝手が分からない神具がある事を知った。尚、その神具の中、最も厳しい試練はダンジョンらしい。


 さて。ここまで知った当時のハフノンはこう考えた。


 ――大陸の分割は地殻変動、神具は当時の人間が作った魔道具じゃね?


 と。


 転生して、明らかに魔法と言う地球には無かった要素がある世界に来たハフノン。彼は転生を自覚した時、こんな疑問を持った。


 ――ここは異世界か。それとも地球とは違う別の惑星なのか。或いはまさかの未来の地球か。


 この問いへの明確な答えは無い。無いが「神が居るか、居ないか」の問いに「地球と同じ」だと最も答え難いものが異世界だ。故にハフノンは異世界転生だと考える様にした。

 ここが地球とは違う惑星であれば、地球には無い未知なる物質があるかもしれない。また、ここが未来の地球であれば、新種の何かが生まれているかもしれない。なればどちらも「魔法」の要素を否定出来ない。

 されど同じ宇宙であれば、況してや同じ地球であれば、人類に都合良く世界を導いてくれる、人類にとっての理想の存在たる全能神が生まれる物理法則は存在しないと確信出来る。


 しかし異世界となればどうか。


 絶対にそんな物理法則は存在しないと言えるだろうか。答えはNOである。では仮に、創生神話が全て事実だとする。人類に都合良い神々が実在するとして。その神々にとって、人類以外の種は一体何であるか。神からすれば、人類以外だって我が子に等しいのではないか。何故、人類が特別なのか。

 ……一神教であれば、まだ理解出来る。同じ我が子であるに関わらず、生まれた順や男女等で扱いを差別する親は居るし、何なら現在生きている世界ではそう言った差別を「区別」で済ます社会である。地球だって、日本だって、そうした社会が実在する歴史を持っているのだ。神がそうした考えならば、人類を特別扱いするのも理解出来る。

 だがしかし、この世界が掲げている宗教は一神教ではなく、多神教である。全員が人類を愛玩用にしているなんて、都合が良い事は考えられない。第一、それならこの世界に存在する人間を仇なす害虫や害獣の類いは試練である事になってしまう。況してやその中に含まれるモンスターは容易に人間を殺すのに、試練も糞もない。

 尚、試練に失敗し、命を落とした者がどうなるかはこの創生神話に書かれていない。創生神話に登場する人間は、試練に打ち勝った者だけなのである。そして失敗者の救いとなる死後は、明らかに人間の都合が描かれた、建国神話で初めて登場する。


 この事からも容易に想像出来る。


 創生神話に於ける神々は決して人類の味方ではない。人類を依怙贔屓しない。よって試練付きのギフトなぞ、存在しない。


 されどもし。


 創生神話に登場する神々が、実は当時の人類であるならば。


 彼等は優れた文明を持ちながら、最悪の災害によって滅んだと考えられる。神具は彼等が遺したオーパーツなのだと。


 ……結論を述べると、ハフマンはこう考えた。遥かな昔、この世界に居た人類は高度な魔導文明を築いていたが、しかし彼等はある時、最悪な娯楽を発明し、その娯楽が壊滅的な地殻変動を引き起こし、恐らく当時はパンゲアであった大陸は分かたれ、殆どの人類は死に、殆どの高度で精緻な魔道具は壊れ、数少ない残った魔道具も整備出来ず……、文明は大きく退化せざるを得なかったのだ。


 残ったのは僅かな知識。


 この僅かな知識が失伝せずに受け継がれたのは、もしかしたら神話のお陰だったかもしれない。何せ分かたれた大陸の存在も、この神話があったからこそ、「在る」と信じられ、嘗て実際に発見もされた。これが海の向こうの外国である。更に各国の標準言語も同じであった。所謂、方言に当たる言語もあったが、「誰とでも話せる言葉」として、標準言語の教育も当たり前に行われていた。更に教育そのものも当たり前に普及している。どんなに小さな村でも、だ。それだけ教育の必要性が知られているのだ。


 極めつけは異なる陸の国も、ほぼ同じ内容の創生神話があった事。


 これらにより、ハフマンは嘗て滅亡の危機に瀕した人類の生き残りの、子孫が自分達である、と結論付けたのである。……無論、地質学や歴史なぞも、専門知識を持たないハフマンの考えが正解である保証は何処にも無い。寧ろ正解であれば、ご都合主義である。


 さて。そうなると生活魔法やスキルを与える魔道具はどんな用途で使われたのだろうか。ハフマンの興味は魔道具そのものへと移る。故にそれを直接見る事が叶う日が非常に待ち遠しい。魔法やスキルそのものへの興奮に魔道具への知識欲が重なり、かなり彼は浮かれていた。先の未来も知らず。


 そして現在の朝。生活魔法の使用にも慣れ、否、生活魔法をこんなにも使いこなしているのは自分だけではなかろうかと自惚れ、確かに両親に神童と大袈裟に持て囃され、御家安泰だと褒められる毎日の中、スキル授与式がやって来た。スキルを授与されるとまるでゲームの様にステータスを見る事が出来るらしい。与えられたスキルの簡易説明は教会の神官にも読み取れるらしいが、やはり詳細までは見えず、自身で確認するのだが。


 そんな事はスキル授与と共に吹っ飛んだ。


 スキルの簡易説明を読み取った神官も言葉が詰まる程の衝撃で、離れた処から見守っている夫妻がその空気を感じ取っている。因みに教会視点で生活魔法の授与式とスキルの授与式は日程が異なる(また魔法の授与式は平民と貴族では実行日が違う)。更に教会の規模によって、受け持つ区の数やそこに住まう人数が変わる為、人口によっては更に細かく別れる場合もある。何にせよ、複数の子供が授与式には参加する事が普通だ。今回の授与式にも、複数の子供達が参加している。

 そんな中、授与式では神官が授かったスキルを読み上げ、簡易説明を行うのだ。


「剣術スキルですね。鍛えれば様々な種の剣を自在に扱える様になるスキルになるでしょう。」


 みたいな。しかし、良くも悪くも口に出すのが憚れるスキルの場合は、その場では口にせず、授与式が終了した後に両親と本人に告げる形になる。そしてそれだけならば、無いケースではない。それでも口に出したくい不名誉なスキルケースも在るには在るだろう。


 ――只、誰しもそんな特殊ケースの想定はしていないだけで。


 そして別室にて、授与式後に一家揃って説明を受けた。説明する神官も相当に苦痛そうだ。しかし彼は今、この時だけである。これよりハフノンはこのスキルと付き合っていかねばならない。


 ――この、「性に関する男性用成人指定作品の題材とされる様な架空の不思議なスマホアプリ」みたいなスキルと。


 ……鍛える事が前提になるスキルが通常スキルと呼ばれるのに対し、与えられた当初から最強であると言う特殊なスキルがユニークスキルと呼ばれるのだが、最も嬉しくない事にハフノンはこのユニークであった。このユニークの対象は異性、同性の区別処か、モンスターや動植物等にも区別なく働かせる事が出来るらしい。端的に言って、地獄の様なスキルである。

 尚、この説明は簡易説明であり、ハフノンのステータスにある詳細によると……、


 前世の業。


 と在った……。


 ――前世の俺は何をやったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!????????????????????????????????????????????


 前世は極普通の一般的なサラリーマン男性だと思っていたハフノンの内心の絶叫に答えるが如く、その詳細が掲載されていたが、最早、読む気も無い。と言うかどんなに正当で同情すべき理由が在ったとしても、今世で色んな意味で迷惑を被るのは間違いない。生憎とスキルに見合った、人として終わっている様な精神は持ち合わせていない。

「こ、こ、こ……、ここここ……、こんなスキルを報告出来るかっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 貴族家には子が得たスキル情報の報告義務がある。報告を怠るならば、その子供は貴族とは見なされない。怒鳴る父・ポジティフの気持ちは良く分かる。己だって言いたくない。序でに言えば、どんなに親しい間でも、こんなスキルを与えられた人間に近寄りたくない。


 ――例え親子の関係であっても。


 そして冒頭の追放宣言に至る。スキルの報告が出来ない。即ち貴族で無くなる。嫡男の地位は失われる。「ならばせめて使用人として……、」等とハフノンは頭を下げる気にもなれない(こんなスキル持っちゃってすみません的謝罪で頭を下げるならばともかく)。同僚が元・嫡男で性犯罪者的スキルの持ち主なぞ、絶対にやりづらい。幾ら身分社会と言えど、従業員に臭いものへの蓋を押し付けて当然の雇い主とその息子なんぞ横暴過ぎると言うものだ。寧ろそんな空気感で働く等、普通に精神を病むだろう。

 

 ――だから…、もう…、どうしようも無い。


 追放以外ならばもう暗殺くらいしか残ってはいないのだ。そして暗殺を選ぶならば、追放宣言等必要無い。優しい言葉を掛け、屋敷内に留め、事に及ぶだろう。


 ――愛されてるんだよなぁ……。


 それが分かるからこそ、両親の愛を深く感じ入る。そして故にこそ、強く望む。臨む。挑む。


 ――帰りたい……、家に帰りたい……、父上と母上の元へ帰りたい!


 渡された手切れ金。勘当された息子が、親子の縁を切られた息子が貰うには少々額が大きい。否、正確に言うならば、全てを売れば相場よりも高くなるだろう、複数の魔石。1つ1つは小さいが数がある。

 リチギン家の資産は子爵家としては一般的だが、平民の資産とは比べ物にならない。追放されたハフノンは生活の場を貴族フィールドから平民フィールドへ移行するのだが、その治安の差は否定出来ない。多目の現金を持ち歩いているのは危険だ。故に小さな魔石を複数渡して来たのだろう。同額程度の現金よりはまだリスクは少ない。

 まあ、一気に全部盗まれれば同じだが、そこまでのフォローを求める方が間違っている。そこは己で何とかすべき話だ。家を出るハフノンを見送った執事から渡された平民の衣類もあるのだから。――これが……、この社会の、子爵家を追放された、家族を乞う僅か12歳の子供に求められる覚悟の基準であり、同時にリチギン家からの精一杯の愛情の証でもある。


 ――もし……、家に帰る事が叶うなら……。


 それと理解出来るが故に、ハフノンの未練は止まない。未練が止まないが故にやがてこう考える。


 ――要らない。こんなスキル……。こんなスキルが無ければ!!!


 自身のスキルに対する否定は直ぐに、「スキルが全く与えられない方がマシだ」と行き着く。


 ――そうだ、スキルなんて要らないじゃないか。


 ……更に元より、「スキルは神様から頂いた有難いもの」と言う考えをハフノンは持っていない。だから平気で「こんなスキル、投げ捨ててしまいたい」と考え、そして………。


 ――そうだ、投げ捨ててしまえ。要らないものなんだ、ゴミなんだ。決まった捨て場でしか捨てられないなら、ソレを探せば良い。捨てる術はある筈だ。


 ハフノンにとって、スキルも魔法も古代人の技術。即ち人類の叡知。神の御業ではない。従って「頂いたスキルを返納なんて罰当たりな事、出来る訳がない」とはならない。故に彼はその目標を定める。


 ――目指せ…………、スキル放棄!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 余談であるが、人工物がどうやって前世の業を測るのであろうか………。


読んで下さいましたのなら、感謝しかございません。ありがとうございました。

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