事案64/64
その選択、正しいですか?
西暦2013年1月12日、中部の山岳地帯の町【鹿谷郷】にて小学生13名の失踪事件が発生。その日は時期外れに温暖で積雪が無かった事から、子供達の間で噂となっていた【谷奥の美渋屋敷】という廃屋へ肝試しに出かけたと考えられる。数日後、行方不明の子供の内の3名が保護。いずれも身体の至る所に軽度の傷を負っていた。彼らの証言により、その日の内に数名の【霊能者】が【谷奥の美渋屋敷】に向かい、残りの小学生を発見する。10名の内、2名が軽傷、2名が重症、1名が意識不明であった。そして隠し扉の先の地下室にて変わり果てた姿の子供を確認。3名は外見すら判別不能な程に潰されており、1名はその時点では意識不明であったが数時間後に病院にて死亡が確認。最後の1名は《《無傷》》であったが精神的な後遺症が残る。調査の結果、【谷奥の美渋屋敷】及びその周辺より【怪異】の存在は確認されず。虚しくも【怪異】の確保には至らずに迷宮入りとなる。当事案を【事案2013:1/12】に指定する。
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【事案2013:1/12】以降、同地区にて原因不明の【霊能】事件が多発。いずれも多くの共通点が見受けられる事より、同一の【怪異】・【霊体】の犯行だと思われる。発生時期・場所から【事案2013:1/12】と同一犯の可能性が浮上。その為、当地区では腕すぐりの【霊能者】による厳戒態勢を敷く事とする。
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西暦2014年1月25日、現時点で【事案2013:1/12】と関連事件の解決に至らず。当事案以降に発生した連続的な【怪異】現象は突如として静まり、半年に渡って新規情報を得られず。以上より本日をもって当地区での厳戒態勢を解除する。以後も引き続き最低限の調査・見回りを継続予定。当事案は【未解決事案64/64】に指定する。
後戻りは出来ません。